第7章 克服の時間
『ステルス機能!?そんなものまで…っ、それじゃあレーダーにも反映のさせようがないじゃないですか。特務課の小型ヘリを使えばあわよくばって思ってたのに…!』
そんな状態で身を潜められてしまっていては、敦さんの救出に向かえない。
敦さんが自力で脱出が出来たとしても、探偵社にもポートマフィアにも優位に立てるようなそんな拠点があるのなら、またいくらでも敦さんを捕らえることが出来る。
そして恐らく、二度目は逃がしてはもらえない。
新たに発覚した組合の拠点…それを潰さなければ、何度だって同じ事の繰り返しだ。
「…蝶ちゃん、多分君は私と同じ事を考えているだろう。しかし、ここで“今”重要なのは敦君の事ではないと気づいてくれ」
『え…?いや、どう考えたって拠点の攻略と敦さんの救出が最優先じゃないですか』
「確かに、理論的にはそうなる。しかし組合の拠点はステルス機能を実装していて、空まで自由に動き回れる…更に蝶ちゃんの口ぶりからすると、やはり組合の者が学校にも行っていたんだろう?」
意味がわからない。
だからこそ早く拠点を攻略して、見つけ出す手立てをたてなければならないはずだ。
なのに、なんでトウェインさんが学校に来ていたことなんかが関係するの?
「分からないようならはっきり言ってしまおう。今、組合は拠点を自在に操ることで、蝶ちゃんのいる沖縄の離島まで移動しつつある可能性だって、大いにあるんだ」
『なっ、!?…そんな、ここすっごく遠いんですよ?それに何でこの場所が分かって……トウェイン、さんだ…』
頭の中で、太宰さんの懸念する図が、みるみる組み立てられていく。
今、私は能力を使って扉を越えることが出来ない。
この枷を持ってきたのが誰なのかは未だに不明瞭だけれど、これだけは言える。
『…今来られたら、逃げられない……?』
「中也が間に合えばいいが、そうでなければ事態は最悪だ。もう分かっているとは思うけれど、敦君を捕らえた今、組合の欲しいものはただ一つ…それを狙うのであれば、敦君は捕らえているため、今横浜に留まっておく必要が無い」
『!!ここに来るのを見越して、拠点を隠匿しておいた…太宰さん、どうしよう!?私今、素手と銃とナイフしか持ってないの!!…勝てないよ、異能になんて、勝てないよっ…!』
ここに来られたら間違いなく私は連れていかれる。
どうすればいいの…
