第7章 克服の時間
私と烏間先生のやり取りに皆頭を混乱させている。
「全員!?それも半分ずつだと!?十人分だぞ、分かっているのか!!」
『だ、だって私耐性作れますし、皆の症状の方が心配で…』
「あれは使うんじゃないと言っただろう!?…全く……ッ、まさかそんなに無理をさせてしまっていたとは」
烏間先生が悔しそうな顔をする。
約束を破ってしまったのが、バレてしまった。
「か、烏間先生?それにカルマ君も、何故そんなに白石さんに…」
殺せんせーが間に入ろうと声を出してくれるものの、二人共雰囲気が変わる気配はない。
『無理なんてしてないです…ごめんなさい、烏間先生』
カルマ君も磯貝君も、と目を伏せる。
「まだ熱が引かないんでしょ?それを無理って言うんだよ。俺も流石に、そんな事ばっかりしてたら怒るからね、蝶ちゃん」
「本当…どうりで枷がはめられるのも避けきれなかったわけだわ。んで、血は出してないんだね?命に別状も無さそう?」
今ようやく気がついた。
私、いつもの調子で戦えてなかったんだ。
そんな事も自分で気づけないくらいに思考力も低下してるんだ。
『うん……大丈夫そう。……だ、だけど中也さんには言わないでっ?お願い、これは死のうと思ってやった事じゃないの、だからッ!!』
てことらしいけど、どうするの?と、カルマ君は烏間先生の方を向く。
「…熱があるというだけできっとすぐにバレてしまうと思うが」
『!……またやっちゃった、馬鹿だなぁ私』
中也さんを悲しませるようなことをしてばっかりだ。
親不孝者というか、なんというか…移すなよと、それはするなよと何かにつけて言われてた。
だけど、結局こうやって使って、それがバレてしまうんだ。
「蝶ちゃん?その、さっきからウイルスをもらったとか、使ったとかって…」
『…こっそりね、倒れた子達の症状を半分くらいずつもらい受けてきたの。半減させたら大部皆楽になるし、私はこの手のものには強いから』
「もらい受けてきた?って…まあ白石なら正直もう何やっても驚きはしねえけど」
ごめん、そこは企業秘密。と言えば、それ以上そこを聞かれはしなかった。
「で、でもそんな状態で大丈夫なのかよ?ここでまだ半分の地点だぞ」
『うん、ちゃんと動けるよ。心配なのは、このリモコンをまだ相手が持ってるかもってところだし』
リモコンを軽く握りしめた。
