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第7章 克服の時間


『私の速さって…え、そんなに差あったのこの人と』

「うん、だって俺、蝶ちゃんに攻撃されたら避けきる間もなく攻撃されてたじゃん。しかも多分、本気出されたら捌ききれてない」

ずっと頭を地味に撫でられているのと、少し褒められたような気がしたのとで気分が高まる。

「でも、最初おじさんぬに蹴り入れた時さ…蝶ちゃん、リモコンの存在知らなかったのに、全然力入ってなかったよね?」

ピタリと撫でていた手が止まって、少しだけ頭に力が入れられる。

『え、っと?か、カルマ君?……あの、そんな事は多分ないと思…あ、頭痛い…気がするんです、が』

「そんなはずないでしょ?俺が手も足も出ないような相手が、あんな風に相手に攻撃を止められるわけないじゃん…」

『い、いや、だからあれは相手が強かったってだけで…っひゃうッ!!?』

ググ、と頭を圧迫されていたかと思いきや、首に指を当てられる。
突然の事態に驚きすぎて、甲高い声を出してしまって、咄嗟に両手で口を塞いだ。

「…………ねえ蝶ちゃん?何か、俺や皆に隠してること…あるよね?」

『な、何も隠してな…ッ、んんっ……!!』

サワサワと焦れったく首を撫でる指に何も言えなくなっていれば、遂にカルマ君が全部口にした。

「…熱、あるでしょ。それもかなりの」

『!!』

カルマ君の言葉に、その場の全員のみならず、私までもが目を見開いて驚きを隠せなくなる。

「さっき下で蝶ちゃん抱えてる時も妙に身体熱かったし。でもさ、蝶ちゃん感染してない…どころか、サービスドリンク飲んですらなかったよね?」

カルマ君と烏間先生から、鋭い視線が向けられる。
暫くして磯貝君も気が付いたのか、私に少し怒ったような目を向けた。

『い、や…これは元々、ちょっと風邪っぽかっただけで……』

「へえ?風邪っぽかった自覚があったのに来たんだ」

『〜〜〜ッ、仕方なかったじゃない!皆のウイルスがどんなものなのか調べないと、私だって心配でっ!!』

白石さん、と、烏間先生が声をだす。
それに肩をビクつかせてそちらを振り返れば、案の定烏間先生の纏う雰囲気は少し重たくなっていた。

「…熱以外の症状は。それと、どれだけのウイルスを?」

『……腹痛がほんのちょっとと、頭痛が少しするくらいです。本当に特に何も問題は無くって…………倒れた全員から、半分くらいずつほど』
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