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第7章 克服の時間


「確かにただの子供ではないようだぬ…だが、生憎こちらにはこれがある」

男が取り出したのは、黒色の小さなリモコン。
それを見せられると、銃を握る腕が必然的に震えてしまう。

『……なんで、貴方達がそれを持ってるの。誰から、どこから手に入れたの』

「聞いていた通りの反応だぬ。何、我々の雇い主から受け取ったものだぬ」

『雇い主?雇い主って、もしかして組合の人?…それとも、怪しい研究してる人?』

私の問いに相手は少し驚いた反応を見せる。

「組合?それはあの都市伝説の組織ではないのかぬ…それに怪しい研究など、スモッグの研究でも十分に怪しいぬ」

今度はこっちが驚く番だ。
組合でもあの男でもない?じゃあ、何でこの枷が…なんでこの枷の制御端末が、向こうにある?

『そのリモコン、私が撃つかもしれないって考えなかった?』

「考えていないぬ。何故なら、お前は下手にそれが誤作動を起こすのを恐れて、迂闊にこれを壊せないと聞いているぬ」

全部、バレている。
しかもこの人、ロヴロさんと連絡がつかなくなった腕利きの殺し屋の一人だ。

さっきのガス使いの人も…相手があのリモコンを持っているんなら、下手に壊すのは勿論、私からも手が出せない……手が、動かせない。

指をパキパキ鳴らしながら己の武器が素手であることを明かす男。
銃は、使えなかった。
結局こうだ、枷が稼働するのが恐ろしくて…結局、なんにも出来なくなる。

「人殺しのための力を鍛えるほど、暗殺以外にも試してみたくなる…敵との殺し合いだ。だががっかりぬ、お目当てがこのザマ、手強そうと感じた護衛係もこの調子では試す気も失せた」

この人は、素手の闘いを楽しみたいと言っているのか。
私がもし、この首輪をはめられていなければ、相手を出来ていたかもしれない。

もし、この場の誰かに徹底的に私が指導をしていたら…頼りになる人が、いたら。

『……あれ?』

「雑魚ばかり1人で殺るのも面倒だ、ボスと仲間呼んで皆殺しぬ」

男が通信機を取り出してつなげようとした時。
私がその人物に目を向けるのと同時に、男の通信機が、展望台の窓硝子と一緒に音を立てて破壊される。

植木に入っていた大きな観葉植物…そして、いつの間に奪っていたのか、男の持っていたリモコンを片手に、そこに堂々と立っていた。

いた、この場に一人…頼りになる私の親友が。
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