第7章 克服の時間
どれだけ人を殺してきたか、そんな事は誰も問い詰めない。
一人や二人じゃないなんてこと、多分皆分かってる。
『…じゃあ、そんな元殺し屋からアドバイス。中也さんは取っちゃダメだよ』
「「「アドバイスじゃなくてそれ警告だから!!!」」」
『あれ』
烏間先生が歩けるようになったのを見計らって、また皆で移動を開始する。
「ダメだ…普通に歩くフリをするので精一杯だ」
『烏間先生、なんなら私がおぶっていきますよ』
「いや、白石さん…それをすると俺が引きずられてしまう気がするのだが」
烏間先生が私の頭を見るので、何が言いたいのかを瞬時に理解した。
『!!い、いいですもん!!中也さんに可愛がってもらえるサイズだからいいんですからあ!!』
「「「ブッ!!」」」
涙目になって烏間先生に言い返すも、まあ白石さんが可愛らしいという話はよく聞いているがなんて真顔で返される。
『な、ななっ…な、……ッ!!』
恥ずかしさにカルマ君の背中に隠れると、烏間先生に不思議そうな顔で見つめられた。
「蝶ちゃん最近前にも増してカルマ君にベッタリだね」
「いやほら、校内でのセコム兼保護者だからさ」
「あれが中也さんの前になるともっと凄いもんなぁ……お互いに」
「「「ああ〜…うん」」」
「もー烏間先生、蝶ちゃんの前で中也さんの自慢話の話しちゃうと、俺んとこに隠れに来ちゃうんだけど?これ見られて中也さんに八つ当たりされんの俺なんだよね」
八つ当たりと聞いて、何かをされているのかと気になって聞いてみた。
中也さん、カルマ君に何してくれてるんだ…なんて思っていただけだったために、カルマ君から口にされた八つ当たりの内容に噎せ返ることになる。
「え、何って…その日の前日一日の蝶ちゃんの可愛いとこ自慢を、ねちっこく事細かに、しかもやけにリアルにしてくるんだよ」
いやあ、愛だね!なんて笑うカルマ君の顔に唖然とするしかなくなって、顔にブワッと熱を集中させた。
『あ、愛とか…っ!!た、例えばどんなの聞いてるの?』
「例えば…そうだね。ご飯食べてる時と髪の毛乾かしてる時に、何回チラって目線送ってきたかとか」
『聞かなきゃよかった!!何なのあの人!!?』
世のストーカーでもそんなところまで見ないよ普通!?
…………あれ、もしかして中也さんってそっち系の人だったりするのかな!!?
