第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
カチッ、と、妙に耳に響いたその音。
やっぱりあれは実銃なんかじゃなく、何かの合図…いや、スイッチ?
考えたのと同時に、大きな爆発音が鳴って水が一気に流れ出す。
水をせきとめていた板が爆破されたのか、そこから流れる水に中に入っている人間が抗えるはずも無く、皆そちらに流される。
水の中に入って冷静じゃなくなった頭と妙な怠さのせいで能力だって使えない。
せめて、何人かだけでも…
『……ありがとう、二人共』
一番近くにいた…私を助けてくれた二人を、無理に腕に力を入れて、少し荒いやり方ではあったが陸に投げた。
「おい!!?」「ちょっ…蝶ちゃん!!」
そちらを見れば殺せんせーがもう皆を助けに動いていて。
そんな様子を見て身体から力が再び抜け、水の中に沈んで流されていく。
ああ、この先って確か結構険しい岩場だったっけ。
そこから落ちれば…うまく水から弾き出されれば、テレポート使って何とかなるかな。
一か八かだけど、私がいたら誰かが殺せんせーに助けられないかもしれないし。
………もう、どうせ水の中だし。
全てを諦めて意識を手放そうとした時、私の身体に触手が巻き付く。
『!!?…っん、!!』
一気に水の中から解放されたものの、水に落ちた挙句触手なんてものまでついてきたら、私の身体が自分のものじゃないみたいに震え上がる。
目をギュッと瞑ったままでいると、久しぶりの声が聞こえた。
「………大丈夫か、蝶。巻き込んで悪い」
触手がその人物の元まで私をそっと運んで、地面の上に座らせる。
それと同時に少し遠いところで殺せんせーの驚いた声が響く。
『あ……っ、れ、糸成…君』
目の前には糸成君…それとシロさんが立っていて、今回の作戦が全てこの人によるものだと言う事を確信した。
分析出来たのは、それはそれでいい。
しかしここで問題になるのは自分だ。
『____中也さんは、いないの…?』
「ちゅうや…?蝶、いったい何を言って」
『やだ、水…触手、怖いのやだっ、一人嫌だ……っ!!』
頭を抱えて、喚き散らす。
涙なんて出てこない。
血の気が引いて寒気がして、冷や汗が止まらなくなって…人の温もりが欲しくなって。
私の異変に気付いた糸成君が心配した様子で私に必死に話しかけるが、言葉を聞き取る程の余裕はない。
『どこ?中也さん、どこにいるのっ…?』
