第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
『うふふ〜♪お久しぶりの愛妻弁当ちゃん…!』
中也さんとケーキバイキングでたらふくケーキを堪能した翌日、昼食時に久しぶりの手作りデザートを持ってきた。
もう脇腹の調子もいいし、能力使ってお弁当だけ作りに家に寄って、中也さんの分もちゃんと作って東京に持ってきたのだ。
「な、なんか今日量多くない?」
「生クリーム添え…それも見事なホイップ感」
周りの子が口にする通り、本日は量も少し多ければトッピングだってちょっと豪華だ。
『えへへ〜、いいでしょ』
「蝶ちゃんご機嫌だね、中原さん絡みかなこれは」
『うへへぇ〜…』
緩んだ表情筋が元に戻らない。
というのも、昨日のケーキバイキングの後、宿で中也さんが一人呟いていたのを聴いてしまったのだ。
__「それにしても食いすぎた…美味かったが………まあ蝶のやつには適わねえな」__
鮮明にその光景が思い出せる。
私がお風呂から上がってチラリと覗けば、中也さんがベッドに腰掛けて一人そんな事を言っていたのだ。
聴いてしまっては気分を良くせずにはいられないだろう。
「蝶ちゃんがご満悦なのはいいとして…あれ、何?」
カルマ君が指さしたのは、教卓で甘いものを食べている殺せんせー。
殺せんせーの毎日楽しみにしているお昼のはずなのに、殺せんせーは涙…のような黄色い体液を顔からドバドバと流している。
「なによ、さっきから意味もなく涙流して」
近くに座っていたイリーナ先生が理由を聞いた。
「いいえ、これは目じゃなくて鼻から出てるので、涙じゃなくって鼻水です。目はこっち」
「紛らわしい!!」
よーく見れば、目が四つあるように見えるくらい目と似ている穴が二つ。
成程、そこで嗅覚を働かせてるわけね。
「どうも昨日から身体の調子が少し変です…夏風邪ですかね?」
殺せんせーが呟いてすぐ、教室の後ろの戸が音を立てて開いた。
入ってきたのは寺坂君…彼は昨日から何だか様子がおかしくて、今日は朝からいなかった。
てっきり今日は来ないものだと思っていたのだけど。
彼は無言で歩いて教室に踏み込むが、クラスの雰囲気は一気に暗いものになった。
『……ハッ、まさかさっき起きたとか!?おはよう!』
「んなわけあるか!!?」
結構それっぽい事当てたと思ったのに違うかったらしい、怒鳴られた。
「寺坂君!今日は登校しないのかと心配でした!!」
