第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
『そうですよ!こんなっ…の、見られて、私っ……』
顔を真っ赤にして震える目の前の少女の前にしゃがみ直して、顔を近付ける。
「お前は…どこか俺の知らない野郎の元に、嫁になんか行っちまうのか」
『へっ!?そ、そんな事ない、けどっ…!あっ、なんで触っ!!』
「………綺麗だよ、お前の身体は」
俺の発言にぶわっと目に涙を浮かべて、ようやく俺に抱きついてきた。
『そんな、言わないでっ…恥ずかし、から……!』
大きく肩で息をして俺に伝える蝶。
そんな蝶が余計に愛しくなって、抱きしめ返して、やっぱりこいつが愛らしくなる。
「…そうやって俺にくっついときゃいいんだよお前は。俺以外の誰かにそんな格好見せんじゃねえぞ」
『見せないよ…中也さんじゃないと許さないもん、嫌だもん』
「嬉しい事言ってくれるなあ?守れよ、言ったこと」
『ん…』
蝶の言葉に気を良くして、頭を何度も撫でてやる。
こんな姿を見るのは、俺だけでいい。
他の誰にも、見せたくない。
抱きついて離れない蝶の制服のシャツのボタンを止めて、一呼吸置いてから己の黒い欲望を捨て去る。
「……ほら、ちょっとだけ姿勢戻せ。ネクタイ着けれねえだろが」
『いらない、明日から夏服着てく…今日は中也さんと一緒にいるの、夜も中也さんと一緒に寝るの』
嬉しいお誘いなのだが、そんな言い方をされればまた俺が我慢しなくちゃならねえじゃねえか。
自覚がねえってほんと怖ぇな。
「はいはい、分かったよ。車戻るか?……ああ、あと夏服着てくんなら制服も」
『…ケーキは?』
「連れてってやるよもう!!」
何だよこいつ、可愛すぎか。
そうだ、天使だ、そうだった。
やったあなんて言いながら俺から離れて、うきうきしながら夏服を紙袋に入れる。
くそ、ケーキに負けた気分だぜ…
『中也さん、行こっ。……ケーキ一緒に食べに行くの。デートだよ、デート!』
無邪気な顔して微笑むこいつは、本当に嬉しいのだろう。
デートなんて言っちゃいるが、その実やはり恥ずかしいのか顔が赤い。
「んだよ、ケーキ食べたさにすぐ俺から離れやがって…」
『ケーキは食べたい。でも中也さんとデート、いっぱいしたい』
「〜〜〜本っ当!!お前は!!」
結局は俺かよ!
ケーキごときに妬いてた自分が恥ずかしいぞおい!!
勿論、移動する前にまたいっぱい頭を撫でた。
