第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
体育が終わって教室に戻り、また休み時間になる。
『もうやだあ…どうしよ、もう中也さんに顔向けできないよ』
自分の席にうつ伏せになっていじけていれば、倉橋ちゃんが近付いてくる。
「大丈夫だよ蝶ちゃん。それに殺せんせーは水に入ると触手がふやけて動けなくなっちゃうって事も分かったしさ!」
『倉橋ちゃん、そっちが嬉しかっただけでしょ絶対。……もう駄目だお嫁にいけない。まあお嫁にとかそもそもいけないんだけど』
「蝶ちゃんから魂が抜けてってる!?」
こんなんじゃ戸籍があったとしたってお嫁になんかいけないよ。
あの時の様子じゃ、殺せんせーも多分これを知ってたから木村君にあんな注意をしたんだろうということなんて分かるし。
『うー…ああああ、穴があったら埋まりたい。埋まって生まれ変わって中也さんのお嫁さんになりたい』
「生まれ変わってもやっぱりそこだけは譲らないんだ!?」
突っ込みに返す気力なんてない。
少し離れたところでは吉田君と殺せんせーがバイクの模型を見て盛り上がっているけれど、それとは対照的に私の気分は最高に沈んでいる。
「それにしても、蝶ちゃんのブレザーなんて誰が持ってきてたんだろうね?」
『……分かんない、でもとりあえず上から降ってきてくれたのに感謝だね。なあんかタイミング良すぎて中也さんみたいだな、このブレザー』
ブレザーを見つめながらそう言えば、倉橋ちゃんが笑い出す。
「確かに、蝶ちゃんのピンチに駆け付けてきてくれたみたいだったね!…あ、そういえば怪我の調子はどうなの?」
『え、怪我?うん、もうだいぶ良くなってるし、夕方頃には多分完治すると思うよ』
「夕方に全部治っちゃうの!?すっごい具合悪そうだったのに…」
『ああ、私怪我治るの人よりかなり早いからさ。流石にまだ暴れたりは出来ないけど、明日あたりならもういくらでも動き回れるよ!』
驚いた様子だったけれど、私の強さなら納得だなんて言って、簡単にそうなんだと納得してくれた。
今回ばかりは君の天然さに感謝しますよ倉橋ちゃん。
なんてやり取りをしていると、すぐそこで寺坂君とカルマ君が何やら揉めている声が聞こえる。
「てめえら虫みてえにぶんぶんうるせえなあ!駆除してやんよ!」
寺坂君の方を向けば、殺虫スプレーを床に叩きつけて、スプレーが教室に勢い良く散布された。
『…あれ、何…これ』
