第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
『むー…中也さんさいてー、デリカシーない』
「悪かったって!帰りにケーキでも食わしてやっから機嫌直してくれよ」
最低と言えば思ったよりも中也さんは焦り出して、車を運転する手がぷるぷるしていた。
『乙女の弱点をそんなに弄って何が楽しいんだか…カルマ君もこんなんだし、ここだけは立原を見習ってほしいわもう』
むくれて拗ねたようにして言うが、何故か中也さんは更に焦り出してブレーキを踏み、勢いよくこちらを振り向いた。
「なんでそこでカルマと立原が出てくんだよ!!?」
『だってバレちゃったんですもん、首弱いの。もうほんと、立原なんてすぐに離して土下座するくらいの勢いで謝ってたのに…中也さんとカルマ君ときたら』
「待て待て待て待て!立原は許す、多分不可抗力だろあいつの場合。……カルマにどうされたって?」
顔が青ざめているのがよく分かった。
なんでそんなに焦っているのかは教えてくれそうにない。
『だから、中也さんみたいに執拗に…って、何言わせるんですか!やっぱデリカシー無い今日の中也さん!!』
「あんのやろっ…ておい蝶!だから悪かったって!」
『何ですか、私が納得のいく理由でも持ってるっていうんですか中也さん』
カルマ君と大差ない…いや、カルマ君と違って何回もしてきてるあたり、一番タチが悪い。
しかし次の中也さんの一言で、私の頭の中は真っ白になった。
「いやだってお前が可愛い反応すっから!!!……っ、あ゛!?」
『は、…へ、?』
今のは聞き間違いであろうか。
「な、なな何でもねえよ!!ほら、もう山着くぞ!!!」
でも急いで顔を背けて車を進めた彼の態度を見る限り、言うつもりはなかったのか酷く慌てた様子だった。
『………私、可愛げないから…』
「ああもうまたお前は!!そんな事ねえよ、誰に言われたそんな事!?」
『中也さんに可愛いって言われた事、ない』
すとんと心に落ちるように、驚く程素直に出てきた。
「ああ!?俺!!?」
言ってしまったと思って中也さんの方を見れなくなって、視線を窓の外に移して黙り込む。
「言われた事ないって、何で俺に言われてえんだか…」
仕方ないじゃない、そう思って欲しいんだもん。
「……そんな事思った時に一々言ってたら、俺ずっとお前にそう言い続ける事になんだろが。分かれよそんくらい…つか言わせんな」
