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第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ


教室から出れば何故か少し騒がしくなっていた。
そして出てから気が付いたが、俺は何を口走っていたんだと思い返す。
俺の事をあいつらに自慢げに話す蝶を想像して、自分まで蝶の可愛いところを上げてしまうとは…恐るべし蝶。

保健室の戸を開いて中に入る。
中にいた少女は、俺を見て喜ぶでも泣きつくでもなく、ただただ俺を見つめ続けるだけ。

その綺麗な、宝石のような瞳で、愛しいものを見るように俺を見つめて微笑んでいた。

「んだよ、あんまじろじろ見んなっつの」

『中也さんの事いっぱい見たいのは自然の摂理なんです』

随分とお前好みの摂理だなおい。

そんなことをこの少女に言われてしまっては、嬉しくならないはずもない。

けれどそれと同時に蝶を見ていると、特殊な体質であるから普通の医療機関に行かせる事は出来ず、歯がゆい思いになる。

『…こっちきてくれないんですか?私、大人しく待ってたのに』

「あ、ああ…悪かったよ待たせて」

頭を撫でてやれば嬉しそうに目を細めて照れたように笑うこいつ。
この顔見たさに撫でるなんていうことしょっちゅうだ。
これが最高に癒される。

『うふふ、私の一番の治療薬は中也さんからの愛情ですよ』

撫でていた手を思わず止めた。
こいつは俺の心の中まで見透かしてたりでもすんのかよ。

「愛情って……よく言うぜ、いつも同じ事されてんだろ」

『だからいつも元気です』

「!…そうかよ」

元気だとか言ったって、微塵も説得力ねえぞお前。
俺に心配かけまいとか思って強がって、寒気や痛みを我慢してんのバレてんだよ。

『っ…ち、中也さん、今そこ触るのっ……?』

鷹岡とやらに強く攻撃された首筋に手を当て、まじまじと見つめた。

「お前の身体に響くような事しねえよ。ただ、やっぱお前が誰かに乱暴されるところなんかもう懲り懲りだって思うだけだ。…折角綺麗な身体をあんなにしやがって」

『…でも中也さんが仇とってくれた。私はそれが一番嬉しかっ…ん、っ…』

烏間さんの言う通りだった。
本当に、どこまで俺を乱れさせれば気が済むんだこいつは。

言い切る前に軽く、抱きしめるように腕を回す。

まさか餓鬼共に言われて初めて気づくとは思ってもいなかったが、俺に何かを強請る度に恥ずかしがるような蝶が愛しくなる。

そんなお前からそう言ってもらえんのが何よりも嬉しいんだよ、俺は。
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