第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
浅野さんは丸めた紙を鷹岡の口の中にねじ込んだ。
「解雇通知です。以後あなたはここで教える事は出来ない」
鷹岡は完全に怖気付いていて、目を見開いて浅野さんに怯えていた。
「椚ヶ岡中の教師の任命権は防衛省には無い。全て私の支配下だという事をお忘れなく。」
「くそ……くそ、くそくそくそ、くそおおお!!!」
後ろを向いて歩き去ろうとする浅野さんに、鷹岡が襲いかかろうとした。
浅野さんの近くにいたため、私が鳩尾に蹴りを入れる。
「ぐっ…!!?お前、は…さっきまでこんな力っ…!!」
『……っ、た…』
蹴りに力をつい入れすぎてしまい、脇腹に響く。
私の攻撃がさっきまで全然やわかったのは、私が脇腹を庇っていたからだ。
しかし浅野さんを狙っての攻撃なんて、させられるわけもない。
想像以上の激痛が走り、その場に座り込んでしまう。
「白石さん…!?」
浅野さんが珍しく動揺している。
この人でもこんな顔をするんだと意外に思った。
『大、丈夫です…ほら早く、本校舎に____』
しかし浅野さんは私の後ろを見て目を見開いていて。
鷹岡が、再び立ち上がって私の元に迫ってきていた。
烏間先生も誰も、こんなところに入れそうな人なんていなかった。
ああ、また痛いのが来るんだって。
目を瞑って身体を強ばらせて、衝撃に耐えようとした。
「…貴方はいったい……どこから?」
しかし聞こえたのは浅野さんの再び驚いた言葉。
そして私の周りを舞う砂塵の音。
とっても、静かだった。
「俺が誰か…は後にしてくんねえか」
『う、そ…』
私を横向きに抱え、立て膝になって私を鷹岡から遠い位置へと運んでいたその人。
私が本当に危ない時に限って、どうしてこの人は助けに来てくれてしまうのだろう。
「……ちょっとここで待っとけ。俺がそろそろ限界だ」
地面の上に自分の外套を敷いて、そこに私を座らせ、彼は鷹岡の方を向いた。
「ああ!?なんだお前、俺に何か用…がっ……、あっ…!!?」
刹那、鷹岡は運動場から蹴り飛ばされ、校舎と運動場の間に出来ている段差…即ち地面にめり込んだ。
「割れっ!!?」
「ちょっと、あれって!!」
一息置いて、口が開かれた。
「___手前こそ、誰に手ぇ出してくれてんだ?」
聞こえた声に涙が溢れて。
ほんとにほんとに怖くって。
『……中也さん、っ…』
