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第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ


普段の様子を見ているからか、皆はどうして潮田君を選んだのかが分からないといった反応を見せた。

潮田君はやりますと言ってナイフを受け取り、鷹岡に向かい立つ。

「なんでこんな場面で渚?」

『……うん、潮田君なら納得。流石烏間先生、よく見てるんですね、生徒の事』

私の言葉にうんうんと頷く殺せんせーと、ほっと溜息を吐く烏間先生。

「白石さんに言ってもらえると安心するな」

しかし、まてまてまて!とクラス中から驚きの声があがる。

『大丈夫、心配ないよ。…ちゃんと見てれば分かるから』



潮田君はナイフを一度構えたが、すぐに手を下ろして、鷹岡に向かって、普通に歩いて近寄った。

通学路を渡る小学生のように、柔らかく微笑んで。

それだけを見て、私は潮田君の勝利を確信する。

『ふふ、凄いなあ…首領が見たら勧誘なんてしちゃいそうだ』

烏間先生がこっちに驚いて反応したようだったが、ニコリと返して再び潮田君を見る。

鷹岡の元に着いた瞬間、潮田君はナイフを思いっきり鷹岡の首目掛けて振り切る。

そしてそれにギョッとして重心を後ろに傾けた鷹岡の服を引っ張り、後ろ向きに倒し、背後に回り込んで確実に獲物を仕留めるよう…

鷹岡の首に、ナイフを当てた。

「あっ……がっ、…」



周りから歓声が溢れる。
それに合わせて、だいぶ首元もましになってきたので私も潮田君の元に歩いていった。

『ありがとう潮田君、スカッとしたよ』

「え、いやいや!皆に…白石さんにした事、許せなかったし。それに何よりも、白石さんが僕なら大丈夫だって言ってくれたのが、一番心強かったんだ」

暗殺の才能に溢れる中学生…
こんな子が表の世界にも、まだいるものなんだね。

『そっか……!皆、下がって』

ほっとしていたのも束の間、鷹岡が逆上して起き上がってきた。
目を見開いて充血させ、怒り狂ったような形相で潮田君…そして私を睨みつける。

「まぐれで俺に勝ったのがそんなに嬉しいか!もう一回だ…もう一回……!」

「確かに次やったら絶対に僕が負けます。でもはっきりしたのは鷹岡先生」

鷹岡の目を見て、潮田君は強く言う。

「僕等の“担任”は殺せんせーで、僕等の“教官”は烏間先生です。これは絶対に譲れません。父親を押しつける鷹岡先生より、プロに徹する烏間先生の方が僕はあったかく感じます」
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