第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
『あの、こんなメニューにしていたらみんなの体が持たないと思います。皆は職業軍人でもなければ、私や貴方のように訓練やトレーニングをこんな長時間した事があるような子じゃあない』
「でも、これさえクリア出来れば、三月までに殺せんせーも殺せるぞ?」
『皆はあくまでも中学生ですし、学業優先のスケジュールになるのは当たり前かと。それにこんな時間割……貴方、皆を“そっちの社会”に巻き込むつもりですか?』
「理事長にも話して承諾してもらったぞ?地球の危機なら仕方ないと言ってくれた」
鷹岡さんは当然のようにして言っている。
一度しか会ったことはないが、あの理事長さんの事だ、何か思惑があるに違いない。
皆は怖い、嫌いだと言っているけれども、信念を持つ生き方をするあの人からは、少しだけ優しい面を感じとる事も出来た。
絶対に、何か考えがあるはず…私は暫く大人しくしていた方がいいのだろうか。
『…誰かが怪我をするようなことでもあれば、私は動きますからね』
「大丈夫だって、じゃあ早速…」
言い切る前に、前原君が声をあげる。
「ちょ、待ってくれよ無理だぜこんなの!!」
「ん?」
「勉強の時間これだけじゃ成績落ちるよ!遊ぶ時間もねーし!!できるわけねーよこんなの!!」
普通の意見だ、と私は思う。
けれどそれが気に触ったのか、明らかに纏う雰囲気の変わった鷹岡さんが前原に近寄った。
嫌な予感がして、走って前原君と鷹岡さんの間に入り、前原君を後ろに押してすぐに受け身の姿勢をとる。
「なっ!?」
『……う、っ…』
腕でガードはしたものの、中々の強さでお腹に向かって膝蹴りをされたため、腕へのダメージが大きかった。
「ほお、まさか入ってくる挙句にガードまでするとは思ってなかったぜ。けど…」
『……!きゃっ…あ、っ!!』
「蝶ちゃん!!」
「白石!!?」
腕の痛みに耐えていたら、足で思いっきり脇腹を蹴られ、数メートル先まで飛ばされる。
「護衛っつっても所詮は中学生の女だな…“できない”じゃない“やる”んだよ」
その通り。
肉弾戦や力勝負になれば、その道で鍛えてきた男の人に、私はめっぽう弱くなる。
「言ったろ?俺達は“家族”で俺は“父親”だ。世の中に、父親の命令を聞かない家族がどこにいる?」
能力なしに、どこまでもつか…
鷹岡さんの独裁教育が始まった。
