第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
「蝶ちゃん蝶ちゃん、さっきいい感じだったじゃん!…って、何でそんなうつ伏せに!?」
カエデちゃんの声が教室に響く。
私は自分の机に突っ伏して、顔を伏せているのだ。
『……何でって、中也さんが皆の前で撫でたりするから』
「でも、すっごい良い雰囲気だったと思うよ?」
『……………私中也さんに撫でられるの好き。それ言ってから中也さんがああするの、最早日常になってるから。そう言うんなら毎日いっつも良い雰囲気って事に…』
素直にカエデちゃんに言ってからハッとした。
何を馬鹿正直に全部暴露してるんだ私は!?
今教室にカエデちゃんしかいなくって良かった!!
「中原さんも蝶ちゃんの事、大好きだもんね!」
『そ、それはよく言われるし分かってるけど…なんか余計に恋愛対象として見てもらえてないような気分』
はあ、と溜息を漏らして見せれば、カエデちゃんが苦笑いを浮かべた。
しかしその時、窓が外から叩かれる音がして、見るとそこには中也さんがいた。
『えっ……ちょ、中也さん?何でまた』
急いで窓を開ければ、中也さんからこっちに寄れと促される。
「ほら、予定より遅くはなったけど、治ったんだよ。首出せ」
治った、とは、恐らく指輪の事だろう。
『首って…よ、よりによってこんなとこで』
恥ずかしいなんて思ったって、中也さんの言葉には逆らえない。
そんな私は言われた通りに首を中也さんの方に向けて下げていた。
長い髪が絡まらないよう両手で纏めて、中也さんにチェーンをつけてもらう。
「よし、もう前みたいな失敗はしねえからな。ちゃんと防水加工もしたし、よっぽどの事がねえ限り粉砕だってされねえだろ」
『う、ん……っ、中也さんありがとう…』
一回だけ…そう自分に言い聞かせて、ちょっとだけ首元に抱き着いた。
「おいおい、ばっちり持病とやらが発症してんじゃねえのか?心配しなくてもまた会えんだからよ」
『ん…』
じゃあなと言って、今度こそ中也さんは山から降りていってしまった。
最後、私が手を離す前に一瞬私を抱きしめ返して……こっそりおでこにキスをして。
やり逃げってまさにこういう事。
『か、かか、カエデちゃん……っ』
「蝶ちゃん、わ、私今度お赤飯炊くね!!?」
『え、赤飯!?私ちょっと苦手だから遠慮させてもらうね!?』
「そこなの!?ていうかそういうのじゃないよ!」
