第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
「ちょっと、中也さん屋根の上にいんの?蝶ちゃんの事で心配になって急いで行くのはいいけどさあ、俺屋根に登れるほど脚力無いんだけど」
大きく響いたカルマ君の声に、私も中也さんも肩を跳ね上げて驚いた。
『え、わ、私?』
「ばっ…!!ああもう、悪かったよ!ほら蝶、降りんぞ」
中也さんは何故か突然顔を真っ赤にして、私の肩に手を置いた。
『………中也さん症候群が悪化したので離れたくありません』
「おう、そうだな……ああ!!?」
「中也さんどうしたの、そんな叫んで。俺自力で歩いてここまで戻ってきたから超疲れたんだけど」
「今行くから待て!」
いたずら心と願望をこめて言ってみれば、思ったよりもいい反応が返ってきた。
カルマ君にも急かされて余計に焦ってあたふたして、なんだか少し面白かったのは秘密。
「蝶、降りた後にいくらでも『嫌だ』お願いしますから…!」
『私さっきちゃんと言った、離さないって……って、へっ!?きゃっ…』
駄々をこねるようにしがみついていたら、突然身体が持ち上げられて、普段よりも高い位置に視線がある事に気が付いた。
後ろから中也さんに密着して、私のお願い通り中也さんとは離れずにいる。
『で、でもこれっ…』
「んだよ、なんか文句あんのか。嫌なら横抱きにしてこっから飛び降りんぞ」
言われた通りの図を想像する。
横抱きにされて校舎の屋根からくっついたまんま地面に…想像しただけでも身震いした。
それに、そのままカルマ君や他の子達に見られるかもと考えると死ぬほど恥ずかしくなる。
『中也さんに負けた気分…』
「お前がいつ俺に勝った事があるよ。………くっ、まともに勝てた記憶があんまねぇ」
本気で悔しがってるあたり、私が言ったことはあながち間違いではなかったらしい。
そして、中也さんは屋根に落ちていた帽子を被り、自身の外套と私のブレザーを私の背中に被せた。
「好きなタイミングでいいから、またちゃんと着とけ。戻っていきなり制服がボロボロだったら皆びっくりすんだろ」
『………ん、ありがとう中也さん。でも中也さんも服切れてるよ?横側とか背中とか』
「俺はいいんだよ別に、木から落ちたとか言っときゃいい。…お前は女なんだから、そんな格好で人前に出んな」
『!ん、中也さんの言う事聞く』
顔を中也さんの肩に埋める。
「おう、いい子だ。んじゃ戻るか」
