第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
「何今更恥ずかしがってんだよ」
『そ、そんな事ないです、そんな…事っ』
「大丈夫だよ、お前がまだ下手なまんまで俺は安心もしたか……ら、っ?お、おいおまっ、どういうつもりだ!?」
キスが下手だとか、そんなの知らないよ。
私は全然そんなことした事なんてないのに、中也さんの事が好きなのに。
中也さんは私の事が好きだけど、そういう好きじゃあないんでしょう?
なのに、何で私にそうやってキスして、下手な事に安心なんてするの?
中也さんの身体を押し倒して、顔を近付ける。
所謂馬乗り状態なのだが、中也さんは私を退けるような素振りは見せない。
『……っ、…』
中也さんの懐からサバイバルナイフを出して、前と同じように指を切りつけた。
「なっ、蝶!?なんで俺のナイフで!!」
今回は外傷の修復だけだから、そんなに深くは切りつけない。
その為一瞬で傷は塞がり、そこから溢れた微量の血液を全て口に舐めとる。
中也さんに見られながら指を舐めるだなんて恥ずかしいけれど、それにまたゾクゾクなんてしちゃって。
口の中に少しだけ唾液を溜め、液体の体積を増やす。
『___……んぅ、…』
そして中也さんの頬に手を添えて、上に乗ったまま、口付けた。
やっぱりまだ自分からするのなんて怖いから、どうしても目を閉じてしまうのだけれど。
中也さんは私が何をしたいのかを察したらしく、すぐに唇を開いてくれる。
そこから血液を薄めた唾液を流し込み、口を離してすぐにそっぽを向いて俯いた。
「…確かに移すなとは言ったが、これもあんま気分のいいもんじゃねえな」
すぐに中也さんの身体についていた切り傷は回復したようだったが、彼は不機嫌な声で言う。
キスをするのは、ダメだった?
私にされるのは、嫌だった?
『………私からするの、だめでした?嫌、でした…?』
「まてまて、そういう意味じゃねえって!お前がこの為にわざわざ血を流すのが嫌なんだよ…それから、一つ言っておくけどなぁ___」
『ん、っ?』
上半身をむくりと起こして、中也さんが私の肩に手を置く。
そして私の耳元に顔を近付けて密着する。
中也さんの髪が当たって擽ったい。
「……俺が嫌な事をされて、大人しくしてるわけがねえだろ。俺からするような相手に…蝶にされて嫌だなんて思うはずがねえ。俺だって、お前になら何されたって嫌にならねえよ」
