第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
カルマ君から伝えられたものは単純で、単に中也さんに素っ気なくしてみようというものだった。
所謂、押してダメなら引いてみろ精神。
『でも私、中也さん見ると抱き着きたい衝動に駆られるんだよね。中也さん症候群にかかってる時なんて尚更』
「だあから、そこは蝶ちゃん次第だってば。俺に抱き着いてくれてもいいんだよ?しがみつくのもいいけどさ、こんな風に…」
『え、ちょっ!カルマ君っ…』
カルマ君の両腕が腰に回される。
一瞬擽ったさを感じたが、彼は離れてくれそうにない。
「ほら、やっぱ蝶ちゃん、中也さん以外の奴に抱き着いたりしないでしょう?」
『…分かってるんならしないでよ、鬼』
大人しくカルマ君の腕にすっぽりとおさまっていると、今二人で座っている屋根に振動が伝わると共に、足音が響いた。
「やっと、見つけたと思ったら…」
「あ、中也さんじゃん。どうしたの?」
大好きな声が聞こえて、一瞬体がビクついた。
それに気付いたのか、カルマ君の腕に力が入る。
くっつきに行きたいし、ごめんなさいって謝りたい。
でも、動けない。
「カルマ手前!何蝶を抱きしめてやがる!?」
カルマ君が腕をまわしているからじゃない。
中也さんの事が大好きなのに…
「いいじゃん別に、蝶ちゃんは中也さんだけの子じゃないでしょ。それにさ、可愛い女の子が悩んでたら、普通安心させようと思わない?」
『ち、中也さんの前で何言ってんのよカルマ君っ…わ、私全然そんな事ないから、ね?』
中也さんに甘えたかったはずなのに
「かわっ!!?…おい蝶、ちょっと話がある。こっち来い」
『ぇ……やっ、…!』
肩をぐいっと引っ張られてカルマ君から離されたものの、中也さんから引き寄せてくれたっていうのに、今度は私が中也さんに抵抗してしまった。
「なっ、蝶!?」
『ぁ、な…んでも、ない……です。話、ですよね』
「あ、ああ…どうした、何か様子がおかしくないか?」
中也さんが私の顔を覗き込むように顔を近づける。
『ぁ、っ…』
「!」
それに合わせて、体が反射的に動いたかのように、素早く中也さんから後ずさった。
体が、勝手に動いてしまう。
「ち、蝶ちゃん…?」
『あれ、何やってんだろ私、中也さんが来てくれたのに…あれっ、?』
手が、肩が、足が震える。
怖い…
___中也さんに近付くのが、怖い
