第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
「手前ら、知ってっか?拗ねた時の蝶の恐ろしさを。あいつあんな顔して恐ろしい事ばっかり…更にはそこらの野郎共と違って手も口も出せねえし、頭が上がらねえ。いや、上げようとも思えねえ」
蝶が機嫌を少し損ねたくらいの時なら、まだ何とかなる。
しかし完全に拗ねてしまっていては、俺とだって中々口を聞いてなんざくれやしねえ。
「だから中原さん、あれ拗ねてるんじゃなくて妬いてただけですって…というか中原さんが怯えるレベルとか何したんだ蝶ちゃん」
「マジで拗ねてねえと思うのかよあれが!?」
「もう、とりあえず早く迎えに行ってあげてください!何で蝶ちゃん絡むとそんな弱気になるんですか!」
「こうしてるうちにもカルマと良い雰囲気になってたりしてね。蝶ちゃんのここじゃあ一番の相談相手だろうし、何よりカルマ君も蝶ちゃん狙ってるっぽいし?」
蝶の事で弱気になるのなんか当然だろうが、あいつに嫌われたら生きていける気がしねえぞ俺は。
それに何だカルマと良い雰囲気になるとか、カルマが蝶の事狙ってるだとか。
「おい、その話は本当か。あいつは確かに頼れる奴だが蝶はやらねえぞ絶対に」
「え、まあ多分、白石みたいな奴なら誰が狙っててもおかしくないかと…昨日だってあの転校生、一目惚れしたとか言いながらデコチューしてたよな?」
前原から衝撃的な発言が投下された。
デコチュー…?
つまりは、あろう事か蝶の額にキスなんてしやがった奴がいるってのか?
「おい、誰かそいつ連れてこい、俺が今ここで始末してやる」
「て、転校生ならまた暫く休学だ。いつ復学するのかは分からない」
「そうか、なら今回は見逃してやろう。今回だけは、仕方なく」
考えただけでもイラついてくる。
蝶に、俺以外の人間がキスをしただと?
撫でるだけならまだしもそんなもん、俺が許せるわけがねえだろう。
「蝶探しに行ってくる…手前らついてくるんじゃねえぞ!!」
外套を羽織り、蝶が掛けてくれたのであろうあいつのブレザーを抱えて、走って保健室…そして校舎から出た。
「……あれさ、もしかして蝶ちゃんも鈍感だったりする?」
「多分。どっからどうみても中原さん、妬いてた…てか、あんな話してたら自分は実は蝶ちゃんの事が好きなんですって言ってるようなものだよね!?」
「お互いがお互いの事考えすぎでとか、何なのあのカップル」
