第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
「負けた方が死亡な。兄さん、お前を殺して、俺の強さを証明する。放課後、この教室で勝負だ」
『糸成君…あの、まず羊羹はありがとう。でもね、私っ…ひゃ、』
とりあえず羊羹のお礼を言って、私から離れてくれない糸成君に、ちゃんと好きな人がいるということを伝えようとしたのに。
「だあから、ダメだよ?なんにも聞かずにそんなふうにしちゃあ」
何故か彼は突然私のおでこにキスをして、すぐにカルマ君に引き剥がされてシロさんの元へと歩いていった。
「蝶…と言ったな。これからよろしく頼む」
最後にそんな事を言い残して、一旦糸成君は教室から出ていった。
『……な、何だったの、あの子』
「殺せんせー!兄弟ってどういう事だよ!?」
「つーか人とタコとじゃ見た目全然違えだろ!」
「てか何一目惚れって言ってたよね!?蝶ちゃんまさかの三角関係に…って、蝶ちゃん大丈夫!?様子変だよ!?」
周りの声を聞いたのか、カルマ君が自分のおでこと私のおでこをくっつけ、真剣に考える。
「うーん、やっぱ風邪ってわけじゃあ無さそうだよねぇ」
『…んん!?か、かかカルマ君!?カルマ君まで何してっ』
端正な顔立ちのカルマ君に至近距離で顔を近づけられたら、いくら気心がしれててもびっくりするのは当然だろう。
「いや、具合悪化してそうだったし、風邪じゃないかだけ確認しとこうと思って」
「これは中原さんを差し置いての四角関係に…!?」
『ちょっと、皆もなんか違うから…か、カルマ君も離れよう?ね?』
渋々と言ったようにカルマ君は離れてくれたが、なんだかイラついているのが感じ取れる。
「殺せんせー、蝶ちゃんHRが始まるちょっと前からかなり具合が悪そうだからさあ、授業中しんどかったら寝かせてあげてよ」
「そ、そうだったんですか、なら仕方ありませんね。保健室で寝ていなくても大丈夫なんですか?」
殺せんせーも心配してくれるが、糸成君の事も気になるし、教室から離れるわけにはいかない。
『はい…なんだか、一波乱ありそうな予感がするので』
昼休みに甘いものを大量に食べてたり、殺せんせーと全く同じグラビア雑誌を読んでいたりと、兄弟という事を匂わせるような共通点が幾つか見つかった糸成君。
「甘いもの…甘いものなら、系統は違うけど今日も凄いデザート作ってきてるよね蝶ちゃん」
『私グラビアなんか読まないよ』
