第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
「なんで出てきちゃうかなぁ蝶ちゃんは」
『私の事なのに本人が出ないわけにはいかないでしょ。カエデちゃんにも悪いし』
平然を装ってカルマ君に言いはするが、やはり視線がかなり痛い。
『隠し事…私もあんまりしたいとは思わないけど、あんまり深く聞かないでくれると助かる。理由は、単純に私が思い出したくない話ってだけだから』
目を見て言える程の勇気は無かったけど、話せる事は心の底から言った。
皆を信用してないとかじゃなくて、ただ私が強くないだけだから。
「……という事だ。修学旅行の時にいらっしゃった森さんからも連絡があって、出来れば深く追求はしないでやってくれと頼まれている。誰にだって話したくない事くらいあるだろう、白石さんが特別なんじゃない、彼女だって皆と同じ中学生なんだ」
特別じゃない、皆と同じ。
先生がそう言ったのは私の為なのかそう思っているからなのか、それか両方ともなのかは分からないけれど、私だけじゃなく他の皆にも届いたようで。
口々にごめんねと、素直な言葉が聞けた。
謝らなくてもいいよ、ありがとうと言えば私からの声も届いていた。
私の声を、聞いてもらえた。
『烏間先生も、三人も、本当にありがとうございます。またもしかしたら迷惑かけちゃうかもなんだけど』
「ああ、気にするな。白石さんも俺の生徒なんだからな」
微笑んでから、烏間先生は職員室へと戻っていく。
「烏間先生の言う通り気にしなくてもいいよ、友達なんだから」
「そうそう、何だかんだ中間テストの後とか修学旅行中とか、俺も世話になったからな」
私が前原君に何をしたのかは分からないけれど、前原君と磯貝君の言う友達は、私を縛り付けて苦しめる枷ではなく、なんでも受け止めてくれるような暖かみを帯びていた。
「怖がりなくせしてよくやってくれるよほんと、大丈夫になった?まだ怖かったら、中也さんじゃなくて俺に抱き着いてきてもいいんだよ?」
『抱き着きません!!』
カルマ君と私のやり取りを見て周りから冷やかしの声が聞こえたり驚かれたり。
「でも本当かっこいいよなあ中也さん、蝶ちゃんの事ならなんでも分かってそう!」
「扱いとか手慣れてそうだよね。中也さん蝶ちゃんの事になったら必死そうだし」
中也さんの話が聞こえて耳を傾けると、前原君と磯貝君だった。
『あれ、二人とも中原さんって呼んでなかった?』
