第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
私が今日の出来事を首領に話さないでいれば、三人の顔に焦りの色が見え始める。
「蝶ちゃん、その…森さんに言わないの?」
「人に言うだけでも気分って変わるもんだぜ?それに、学校の現状ってやっぱり知っておかねえと心配されるって」
『三人がいるし、大丈夫だよ。それに本当、特に大した話でもないじゃない?』
私個人の事を他の子が詮索するだなんて、仕方のない事。
気になるのだって悪い事ってわけじゃあないし、そこはなんとか自分で解決しなくちゃならない。
本当に、学校という場所での生活としては仕方のない事なのだから。
前原君と磯貝君の顔が暗くなった時、今度はカルマ君が私に聞く。
「蝶ちゃんさあ、また何か余計な事考えてない?例えば……森さんに知られれば、中也さんにも話が伝わってしまうから、とか」
『そんな事…ないよ。そもそもこれは、言ってみれば私と他の子との言い合い、口喧嘩みたいなものだし。そこには首領も中也さんも、私の為に動いてもらっちゃダメなの』
私の事ともなれば京都での修学旅行に乗り込んで来てしまうような人達だ。
保護者…と呼んでいいのかは分からないけれど、そこの助けをかりて場を収めるのは少し違うと思った。
「ふぅん。でもさ、森さんと中也さんが動いちゃうんじゃないかって蝶ちゃんが思う程の事なんだよ?それに、この件に関しては烏間先生に頼んで皆を説得するっていうのが、今は一番いいと思うし」
カルマ君の言っていることはもっともで、私も出来ればそうしていただけるのが一番望ましいと思っている。
『でも、こんな事中也さんに言えるわけが……ぁ、』
「ほらやっぱりそこじゃん。蝶ちゃんが言いにくいようなら俺達が代わりに説明するからさ、大事に思う人だからこそ言っておいた方がいいよ」
『………ごめんなさい。ちょっと、席外させてもらってもいいかな。今更なことだけど、改めて思い出すと結構キツい』
根本を言えば勿論私のせい。
皆を騙して友達だなんて思い込んでいた、私のせい。
でも、生まれて初めて出来た友達というものに私の声が届かなかった。
これも私のせいなのだけれど…私の思いは、届かなかった。
自分の気持ちを素直にさらけ出して、大切にしたいと願っていた人達に届かなかったからこそ、その反動は大きく辛いものとなって私にのしかかってくる。
「うん、俺達に任せてくれればいいから」
