第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
『じゃあ、そろそろ戻りますね。前原君と磯貝君の事、何かあった時のためにちゃんと覚えといてくださいよ?』
床に倒れたままの谷崎さんに挨拶だけして、放置して探偵社から出ようとした。
出入口のドアに手を掛けて開けば、後ろから手を回され、誰かに抱き着かれる。
犯人なんてすぐに分かるけど。
『太宰さん、手出しされたくなかったら大人しく離れて下さい。まだ三人に色々と説明しなきゃいけないんで』
「ええ~連れないなあ蝶ちゃっ…あ」
太宰さんが引き留めようとするのを、能力で別の場所に移動して抜け出した。
『よし皆、外行くよ。太宰さんはさようなら、ちゃんとお仕事して下さいね』
太宰さんのスキンシップに口をあんぐりと開けて私を見る二人と、そろそろ慣れてきたのかいつも通りのカルマ君。
今度こそドアから出て、太宰さんにさよならする。
「蝶ちゃん、横浜にまだいるんなら、あのちっちゃいのに私からの文句でも、って…蝶ちゃあああん!!!」
言い切る前にドアを閉めた。
あれ、前にもあったっけこんな事。
『さてさてお次は…私の前職の事なんだけど、あんまり人前じゃあ言えないからまた移動するね』
移動という単語を耳にしたら、前原君と磯貝君が顔を青くしてあからさまに怯える。
『……そんな怯えないでよ、ちゃんと地面に足がつくようにするってば』
「あ、今度はまともに移動するんだ」
まともにって、失礼ねえ。
『いつもなら飛び降りて着地するように扉作るんだけどね』
宣言通りに扉を作って開けば、勿論そこには私の移動先の人物がいた。
『立原………何で寝てんのよこんなとこで、風邪でもひいたらどうすんのよ』
そう、本日二度目となるポートマフィアの拠点…の立原の執務室。
しかし入ったは良いものの、肝心の部屋の主は気持ちよさげにソファの上で仰向けになって眠りこけていた。
それを気にせずに立原の部屋をズンズンと進む。
「し、白石?いいのか勝手に入って…しかもここどこだよ」
『ここがどこかなのかはもうちょっとしたらちゃんと説明するから。勝手に入れるところに移動してきたんだから大丈夫だよ、私が来たっていうのに本人寝てるし』
本当に気持ち良さそうに熟睡していた立原を起こす気にもなれず、しかし風邪をひいてしまうのもいけないので、仕方なく自分の羽織っているブレザーを脱ぎ、上に掛けておいた。
