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第26章 帰郷


水圧に耐えきれずに木から落下する柳沢。
しかしそんな彼を一瞬にして連れ去ってしまう影がひとつ。

『!逃がさな…ッ』

「…チッ、データ外だ…立て直す」

蒼火墜を放つもそれを避けられ、そのまま柳沢の気配とともに消えていった。
…みんなの方にも行ってないな、これは。

なんて気を張りすぎていたのか、頭に触れる手にビクリと肩を跳ねあげる。

「……ちゃんと扱えんじゃねえか。…俺相手にビビってんなよ、お前の斬魄刀だぜ?」

『…怒ってないの、?どうして?』

「お前に怒る?俺がか?…生きてただけでも十分だろ、馬鹿」

意に介さずに具象化してしまった彼に慰められながら、そのまま沢の近くに下ろされる。

「ったく、とんだ水嫌いになりやがって」

『…』

「あ?…って、おい!?泣くな泣くな泣くな!!もう大丈夫だろ!!?俺がついててやるんだから水なんかお前のもんだろ!!!な!!?」

慌てふためく彼に向かって、力いっぱい抱きついた。

『…っ、ごめんね…!…あり、がとう…ッ』

「!…いいってことよ。…お前が泣き虫になってて安心したぜ、本当」

『……で、も…海燕さんに似てくるのはちょっとどうかと思う…』

「お前が好きかと思って…安心しろ、あいつらに変わって俺がお前の力になりに戻ってきたんだからよ!」

『捩摺ぃ…ッ』

「はっ、えれぇ懐きようだ。んな調子だと俺が他の奴らに嫉妬され…?」

じろ、とこちらに向く視線が三つ。
何を隠そう、中也と喜助さんと真子のもの。

「ほお?お前が澪の斬魄刀かい…けったいな見た目やな、お前澪に惚れてる口かい、ええ?男やとは聞いとらんぞ俺は」

「同感ッスねぇ、うちの澪ちゃんこんなに丸め込んじゃうなんて中々の強者…一緒にいただけのことはあるようだ」

「二人揃って…あいつは斬魄刀だろ?何いい大人が揃って大人気ねぇことしてんだよ」

『中也さん大人…!!!』

「「ぐっっ…!!!」」

呻き声を上げる馬鹿二人を無視して、中也に飛びつきに行った。

「!へえ、珍しい奴がいたもんだ…なんだ?お前やっとまともな恋愛できたのか、良かったじゃねえの」

『うん、私の旦那様♡』

「手前なんて名前だ、あぁ?うちの娘に変なことしてみやがれ、海の藻屑にすんぞコラ」

「いきなり何なんだ…俺は中原中也」

「…ふん、まあ姫が笑ってるんならいい。俺は優しいからな」
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