第26章 帰郷
『…ッ、…も、お腹いっぱい』
「ダメダメ、全然足りてない。もっと受け取ってもらうよ?」
『も、もうらめ…くらくらする、ぅ…』
最初はただその行為を命じられただけだった。
しかしすぐにその行為はただの喜助さん…私の主の寵愛へと変わってゆき、今となってはこれでもかという程に霊力を注ぎ込まれて甘やかされる。
「酔っちゃいそう?でもダメだよ、ずっと補修してあげれてないんだから、定期的にこれくらいは治していかなくちゃ」
『はぁ、…っ…も、もういい、な、なんからめッ…気持ちよすぎておかしくなる…!』
「苦しくならないためなんだ、大丈夫。元の身体に戻っていくだけだよ…ちゃんと能力使えるようにしなきゃ、無茶ばっかり続けちゃ怒りますよ?」
『お、怒らな…っ、…ぁ、…もう無理、お腹いっぱいな、の…!』
身体中がふわふわする。
あったかくって柔らかい感じがして、どんどん怖がっていたものが治っていく。
傷やヒビでいっぱいになっていたガラス玉がどんどんガラスで埋められて、膜が作り変わって更に膜がかけられて、コーティングされていくような。
私の核は今正しくそのような状態なのだろう。
しかしそれだけじゃあない。
この人の霊力に限ったことではないが、その膜の内側までもを徐々に満たそうとしているのだ。
「お腹いっぱいじゃあないでしょ、中原さんのとこでご飯だって量があんまり食べられないって話なんだから。お腹空かないのは霊力が足りてないから、これ死神でも一緒!ね?」
霊力に乏しい魂魄の持ち主は、この尸魂界においてそもそもお腹が空くといった概念でさえ持ち合わせない。
…そうか、私はそんな所まで。
「尸魂界や空座町なんかなら霊子に溢れてるからまだ君の力になってくれるものの、あの世界にはそれが無いんだから。ちゃんと食べてもらいますよ?胸以外にももうちょっとお肉つけなさい」
『!!!さ、最低…ッ』
「…もしかして恥ずかしかったの?」
『今更貴方相手に恥ずかしくなんか…、っぁ…る、けど…』
「からかってごめんね、あー可愛い…」
泣きそうになったらよしよしと宥められた。
確信犯だこの人、趣味悪い。
「でも、心配だからもうちょっと頑張ろう?前より楽に食べられるようにはなるはずだから…ね?」
『…私それで今度は大食いになっちゃうかも?』
「スイーツが加算されるから大丈夫」
