第26章 帰郷
「君の核への霊子は、浦原喜助によって供給が成されていた…違うかい?」
『はい。どうして自分の魂がまだ核から分離しないのかずっと不思議でしたから…私にそんなことできるの、あの人くらいしかいませんし』
「…突然体調を崩す時や、特に枯渇してしまってからは…周期的にじゃないと能力も扱えなかったんじゃないのかい?」
私の能力の成長…身体能力の成長は、確か三年周期だったはず。
そしてその三年というそれは、同じ量で提供され続けた霊子による影響だ。
地道に蓄えられていったそれが、ようやく溜まって本来の力が扱えるようになっていく。
…そうか、それが原因でこんなに扱いにくい身体だったのか。
『?でも、それだと私の突発的な体調不良は何が原因で…?って、そんなこと京楽さんに聞いてもあれかもですが』
「……気付いてるんじゃないの?どうしてなのか」
『…やだなあ、私、霊子が供給されていた事には気付いてましたけど、それがなくたって死ぬような身体じゃないですよ?』
「霊子が供給されなくて、これまで行われ続けてきたはずの処置さえなくなって…霊子が十分でない状態で器までダメージを受け続けていたんだ。わかってるでしょう?」
今、京楽さんがはっきりと言った。
霊子が十分でない状態で、と。
それはつまり、霊子が供給されなかったということも発生していたわけであって。
『……喜助さん、殺されかけてたのね…やだなぁ、異世界にいたらそんな感覚まで薄れちゃうなんて』
「…その彼が、絶対に君をこちらの世界に呼んではいけないと断固拒否していたんだよ。平和な世界にしてあげたい、あの子が安心して帰ってきて、笑って過ごせる世界にしたいんだ、って」
『自分が死んだら意味無いでしょうに…馬鹿な人。私に霊子の供給なんかしなくたって、軽い熱くらいですむはずなのに』
「死にかけてても、それでも君から霊力を奪いたくは無かったんだろう。…君とそっくりで、大事な人にほど不器用になっちゃうんだよ彼も。僕より君の方が分かってるとは思うけどさ」
そんな緊急事態だったなんて…そうじゃなきゃこんなにも私の知る強い人たちが戦死しているわけはないのだろうけど、それでも。
『…それで?……本題は何ですか?』
「……焦らないで聞いてね?僕に当たってくれてもいいからさ」
____藍染惣右介を、無間から脱獄させた
