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第26章 帰郷


「澪ちゃんてさ、本当に強い子だと思うんだ。僕なら、君のようには生きられない…途中でなんでも放り出して、周りに迷惑かけて、最後には何のためにもならないような人生を送って死んじゃいそう」

『…京楽さんは強い人です。私は人の死を受け入れられない…受け入れたくない』

「そんなことないさ、君はちゃんと受け止めて生きている。だから、今報われてるんでしょ?…君の身体が死ねないということは僕は総隊長に就任してから初めて知ったんだけど」

京楽さんの話にバッとそちらを振り返る。

しかし、京楽さんからは恐れていたような反応はなく、ただただ微笑んで頭に手を置かれるだけだった。

「なに、四十六室から秘密裏に知らされていてね。知っている義務はあるらしかったから…実はね、君が追放されている間に起こった襲撃で、僕は四十六室に掛け合って君をこちらに戻せないかと聞いたことがある」

正確に言うと、頼みに行った。

追放を止められずになんて図々しい願いだったのかと思いはしたと京楽さんは語るが、しかしその事実に私は驚きを隠せなかった。

『…どう、して…そんなこと……そんなことしてもし京楽さんに何かあったら…っ』

「怒らないあたりが本当に君らしいよ。…何、緊急事態にも程があったからね。僕の性格は知ってるだろう?……君に助けを求めたかった…けど、君のその身体には、“霊子がほとんど溜まっていなかった”」

『!……知ってます。それに、私は…私の身体は、とっくに霊子が枯渇してしまっていましたから』

「…その事についても、総隊長である僕と、君の主人だけしか知らないよ。だからね、何が言いたいかって言うと…」

私の身体の中に残っていた霊子は、あの世界ではとっくに無くなっていた。
私もそれがどうしてなのかは分かっていない。

確かに残っていたはずなのに、気がついたときにはそれが全くの無になっていた。

私の身体は、確かに霊子の力がなくても生き続ける。
しかし、霊子が…私の身体にとっての癒しともなり得るエネルギーが枯渇していたということは、ケアを怠ると私自身が存在を保てなくなってしまったかもしれないということ。

肉体だけの存在に…死ねない屍に。

『それで、反対されたんですか?…“喜助さんに”』

「…察しがよくて何にも言えないよ」

私の身体の霊子が枯渇していても生きていられたのは、恐らく彼のおかげ。
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