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第26章 帰郷


これはあくまでも聞いた話。
あの子が人を信じられなかった時期…信じられなかったからこそ助けられなかったのだと、彼女は悔いていたという。

自分をあんなに信じてくれていたその人を、どうして自分は信じきることができなかった?
どうして、力を扱えたはずなのに…全てをさらけ出すことができなかった?

どうして、全部知ってくれていたのに。
その上で自分を救ってくれたのに。

それに応えられなかった。
自分の恐怖に勝てなかった。

「あの子の師匠は、天才的な剣の腕の持ち主でしてね。元々あの子自身、剣が苦手というわけではなかったのですが自分自身が斬魄刀だということもあって…あの子の才能あってのものですが、鬼道だけでも死神へとなれてしまうような子だったんです」

「…斬魄刀は、いつ?」

「あたしがいなくなってからなんです、斬魄刀を見つけたのは。…運命的な出会いだったそうですよ」

自分が尸魂界を追放されてから…いや、確かその前日に、見せたいものがあると言っていたような。
それを見ることもできずに、約束を破って飛び出した結果があれか。

今こうして再会できているからいいものの、決してあれは誇れるような行為じゃない。

自分は、世界で一番愛しいはずの少女の心を犠牲にして生き延びたのだ。
一番裏切ってはいけないはずの、己の魂の片割れを裏切って…置き去りにして傷つけて、そのままにしたんだ。

「…始解をすると、斬魄刀は刀の形が変形します。例えばあたしの刀なら…“起きろ、紅姫”」

「…!!…なるほど…こいつぁすげぇ」

「今の解号は、仮の解号のようなもの。あたしはここぞって時には、あの子が教えてくれた第二の型を使いますからね…あたしの斬魄刀はこの通り、直刀です。そしてあの子の斬魄刀は、矛…三叉槍でした」

「本当に色々あるんだな、斬魄刀って…あの背丈で三叉槍なんざ使いこなされちゃ、厄介なことこの上ねぇな敵さんは」

そう、あの子の斬魄刀の形は三叉槍。

「彼女の斬魄刀は、彼女の師匠…“志波海燕”さんと、全く同じ形状の斬魄刀だったんです」

「!!!」

「…能力は、あの子自身の斬魄刀本来の力が由縁してか、軌道系…それから流水系。師匠の斬魄刀も、流水系」

「……なるほど、それであの塞ぎこみようか」

まるで双子のような斬魄刀。
特別な繋がり。

今となっては、唯一の繋がり。
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