第26章 帰郷
「じゃあなんだ?俺が今ここでお前を見捨てたところで、俺は幸せになれるってのか?無理だろ」
『何その変態思考、本当に信じられない』
「…嬉しいんだな?これは」
「はい、めちゃくちゃ照れてますね。蝶々桃色にさせちゃってますし」
『あああああもうこの身体ムカつく!!!作り直してよ喜助さん!!』
「「可愛いからダメ」」
もうやだこの親バカコンビほんと。
「でも姫ちゃん、やろうと思えばもう自力でも出来るんじゃないの?」
『!!…、それは……べ、別に嫌いなわけじゃない、しそんな……そんな…』
「…ボクが作ったまんまがいいんだ?」
『誰もそんなこと言ってない!!』
「この世界いいな、こいつすっげぇ分かりやすい」
「もうボクと接触できましたし、これからは向こうの世界でも見られるようになると思いますよ?霊子に余裕があるでしょうから」
求めてないのにそういうことを…また勝手にいじったな、この人。
嫌いじゃないけど。
「それにしても、斬魄刀か…あれ?そういや、お前も持ってたんだよな?斬魄刀」
『…うん、持ってたよ。喜助さんがこんな風に器を作っちゃったせいで、斬魄刀なのに斬魄刀持ちなんていう変な状態だったけど…まあ、今じゃもう知ってる人は喜助さんと中也くらいだし、問題なさそうだから大丈夫だよ』
今じゃもう、と口にするのと共に、また少し虚無感に襲われる。
「……いいの?本当に…あの斬魄刀は、色々な意味で特別だったでしょう?」
『…いい。もう吹っ切れてるし大丈夫』
「…ふぅん」
「?…ああ、そういえば蝶、お前…刀得意だったなんて初耳だぞ?」
『だって言わないようにしてたもの。あの世界のご時世において刀が得意なんて、言ったら怪しまれるじゃない』
あーもううちのこ天才!賢い!!なんて抱きついてくる親バカを無視して淡々と答えていく。
「そういうもんか…てっきり、何か理由があって使いたくねえもんかと思ってた」
『…どうして?』
「武器庫にあったのは知ってるだろ?…真っ先に銃に飛びついていったから気付かなかったけど、前に剣八とやらを竹刀で鎮めてたの…あれ、並の太刀筋じゃねえだろ」
流石は中也、本職なだけあってよく分かっている。
「ふふふ、そうでしょうそうでしょう?強いんですよねぇうちの姫ちゃん…まあ、一番得意になっちゃったのは刀じゃな『喜助さん』…」
