第26章 帰郷
「ふぅん?斬魄刀ねぇ…こんな可愛らしいもんなのか?斬魄刀って」
『!?!!?か、わいらし…ッ!?』
「つ、突っ込むところそこなんすか…斬魄刀も様々ですよ。この子はたまたまこーんな可愛い子でしたけど…持ち主とよく似ているというのが共通してある特徴ですかね」
「そんな今更本気で照れんなよ…、…成程な、それで名前があるわけか」
斬魄刀には、それぞれ名前がある。
その名を知ることから始解の力を扱うことが可能となり、具象化させ、屈服させることによってその更に上の能力…卍解を使用することが可能になる。
「ボクの斬魄刀は、少々他と性能が違いましてね…解号も二種類あれば型も二種類あるだなんていう、攻略の難しい刀だったんです」
「解号が、二種類…?」
「ええ。今となっては両方とも扱えるようにはなりましたが…何せボクが斬魄刀を手にしたばかりの頃、既にその中に魂と呼べる存在は無かったんですよ」
「!…成程、それがこいつだったってわけか」
「単純に言えばそうなります。いやぁ、まさか自分の斬魄刀がこんなに可愛い女の子だなんて思いませんでしたよ…ねえ姫ちゃん、なんでそんなに拗ねてるの?こっち向いて下さいよ」
なでなでと髪を何度も撫でられれば、隠したいのに蝶が舞う。
アホ毛も跳ねる。
…ほんとにいらないこの機能。
むす、とするのに相手は私の心中なんかお見通し。
「それで、名前は…その、姫ちゃんってのがそうなのか?」
「!ああ、それはボクが勝手につけた愛称ッスよ。本当の名前は“紅姫”ちゃんっていうんです…可愛いでしょう?ピッタリだと思いませんか?」
「紅姫、ねぇ…由来ってあるのか?その名前」
『……喜助さんはいつも、僕を愛して僕に愛される名前だねって言ってたけど?』
じろ、と中也の目が喜助さんを捉える。
「ちょ、ちょっとまって!?それは紅姫竜胆の話で…」
「!そういうことか…お前もしかしてそれで花に詳しかったのか?」
『…別に』
「蝶舞わせてちゃバレバレだっつの…」
『…それより、なんでそんなに私を見る目が変わらないの?こんな話聞いておいて…当事者が言うのもあれだけど、ちょっとくらい引いた方がいいと思う』
「あ?何言ってやがる、お前俺の身体のこと聞いた時に俺が引くレベルで引かなかっただろうが」
『そういう問題じゃないでしょ…』