第15章 大切な人
あっさり認められてこっちが恥ずかしくなってきた。
『な、な…っ…』
「…おい、女医。輸血もそろそろ良いんじゃねえのねえのか?俺、とっとと両腕使えるようにしてえんだが」
「時間的にはそろそろいいね……でも、どうして両腕なんだい?突然」
「ああ?両手使わねえと、こいつの事いつまで経ってもちゃんと抱きしめてやれねえだろ」
「「「『!!!?』」」」
な、なんか今日の中也さんいつもより変だ、調子狂う…
「ぷっ、そうかい…蝶、あんたの誕生日会はまた脚が治ったらしてやるから、早く治すんだよ」
『!た、誕生日会!?わ、わざわざそんなのいらな「したくないんなら妾の治療でその脚今すぐに治すかい?」あ、行きます、喜んで』
「んじゃ、とっとと終わらせちまうよ…ほら、腕出しな、素敵帽子」
「素敵帽子で定着すんな……ほらよ。世話んなった…蝶、お前目ぇ瞑ってろ、見なくていい」
中也さんに頭を撫でられて抱き寄せられ、ギュッと目を瞑る。
周りは皆どうしたのだろうかといったような反応だったのだけれど、事情を知っている太宰さんが皆を外へと促してくれた。
中也さんの腕に、あんな恐ろしいものが刺さってる…本来私を助けてくれるはずのそれを想像しただけでも背筋が凍りつくようにゾッとした。
「…おー、これで両手使えんな。蝶、寝れるなら寝とけ」
『む、無理…そ、んな……わ、私中也さんの腕にまた…ッ』
「気にすんな、別に悪い事じゃねえんだからよ。それに俺はお前と違って痛くはねえんだ、大人だからな」
「……蝶、そろそろ抜くが…大丈夫かい?あんた」
『………だ、いじょ…「だからいいって、無理に大丈夫とか言わなくて」え…あ、中也さ…っ!?』
上体を起こして私を抱え、顔を胸元に埋めさせられる。
それと一緒に中也さんの口が耳元に寄せられて、針を抜く方の腕とは反対側の髪を耳にかけられた。
耳に触れた指にビクリと肩を震わせれば、中也さんがフッと薄く笑って少し低めの声を出す。
「掴まってろ、俺以外は何も考えなくていい…帰ったら好きなだけキスでも何でもしてやるよ」
『ひにゃッッ!!?』
「え……あ、終わったよ蝶、あんた入れる時と一緒でかなり怖がるもんかとばかり…蝶?…………素敵帽子、あんた蝶に何したんだい?」
「あ?ちょっと気ィ逸らしてやっただけだよ…ほら蝶、戻ってこい、終わったぞ」
