第15章 大切な人
「い、いや…いいよ、中原さんと一緒で。僕はそんなに小さな人間じゃあないからね…はは……」
『いいの!!?中也さん、いいってさ!浅野君ありがとう!!こんなに気の利いた誕生日プレゼント、生まれて初めてだよ!!!』
「そ、それならよかった…なら僕は少し退室させてもらうとするね、お大事に。また今度…」
「すげえ、あの浅野でも勝てなかったぞ」
「やっぱ蝶ちゃん格が違うわ、中原さんパワーね」
退室する浅野君とA組の子達の気配が消えたのを確認して、中也さんに再び強く抱きついた。
「!ち、蝶?お前、俺は後でもいるんだからあいつらの方に……おい…?」
顔を埋めるように下を向いて、中也さんを力一杯抱きしめる。
『………誕生日プレゼント、約束今から守ってよ。…今日来てくれたんだから、ちゃんと守って…ね?』
「い、今からって…いや、でも『…泣いちゃいそうで恥ずかしいから』……甘えため、そんなにここがいいのかよ」
トントン、と背中を撫でられて、中也さんは私の先へと声を出す。
「悪い、遅れてきてなんだが…うちの蝶は今日すっげえ我儘になる日なんだ、誕生日っつう事で見逃してやってくれねえか?人前じゃ恥ずかしくて俺にいつもみてえに甘えられねえらしいからよ」
「あー…そうだね、今日は中也さんが来なかったせいで朝から相当色々溜め込んでたみたいだし?」
「は?」
「うんうん、かなり寂しかっただろうしねー。見ててこっちまで辛くなってきたよ、中原さんの携帯の着信履歴見てみて、多分カルマ君と磯貝君と烏間先生からの着信履歴半端ないはず」
中也さんは私を抱いていない方の手でポケットをまさぐり、言われた通りに携帯をチェックする。
「……烏間さん…」
「すまない、俺からの分は殆どが生徒のかけたものだが…今日は本当に色々と思いつめていた様子だったからな。体調も万全ではないからゆっくり休んでいってもらってもいい」
「そ、そうだったのか……お前、そんなに溜めてたんなら俺に連絡すれば良かったのに」
『…お仕事邪魔して中也さんが怪我しちゃ、嫌だった』
「!………阿呆、俺がお前から連絡もらって誰かにやられっかよ。お前からの連絡ならすぐに気づけるようにしてあるから出たかもしれねえのに」
『親バカ』
「違ぇよ」
『私バカ』
「そうそう、そっち」
『へえ、そっちなん…………!!?』
