第15章 大切な人
中也さんの方に顔を向けると、キョトンとしたような顔をされていた。
「写真…俺の?そんなもんでいいのかよお前、変わった奴だな」
『……誰かの写真とか、持ってなくて…そういうの、いらないって思ってた…から』
「………いいよ、好きなだけ撮れば。俺も最近のお前の写真は腐る程持ってるからな」
『何それ知らない』
なんだか少しだけ嬉しそうな中也さん。
何でだろ、写真撮られるの好きなのかな。
私はどっちかっていうと恥ずかしいのだけれど…
「ははっ、だろうな。気付かれねえように撮らねえとお前すぐ逃げるし」
『わ、私中也さんの写真一枚も持ってなかったのに…』
「なら記念すべき一枚目だな、どうせならお前も入っとけよ」
『え、私!?なんで!?』
「最初の一回くらいしか一緒に写ったことねえじゃねえか?良いから入れ、そんで俺にもその写真寄越せ」
『わ、私なんかと写って何が良いのか全然「お前は俺と写真撮るの、どう思うんだよ」………嫌じゃ、ない…けど』
「俺は嬉しい」
直球すぎる中也さんの一言にノックアウトされ、照れすぎた結果中也さんに思いっきり抱き着いた。
そう、上に乗ってしまうほどの勢いで。
「蝶!?お前っ、しんどいんなら大人しく…!!」
『中也さん好き…大好き』
「わ、分かってるからお前は早く横に…『中也さんの事は私が愛してるよ』!!……だ、からお前…ッ早くだな…」
『生まれてきてくれてありがとう』
言ってから、有無を言わせず中也さんの唇に口付けた。
この人が私と似たようなものに枷をはめられて生きてきたのを、私は聞いただけだけど知ってるから。
自分の心を許してる相手に存在を認められてるって分かったら、本当に幸せな事だから。
『……ッ、ハ…』
「…莫迦、が……そりゃ、今日はお前が言われる方だっつうのに…………ッ、俺のところに来てくれて、ありがとう。生まれてくれたのは勿論…出逢ってくれて、ありがとう」
『!……莫迦はどっちですか。私のところに、中也さんが来てくれたんですよ』
「お前が来たんだよ俺のとこに…____」
中也さんに後頭部を手で押さえられ、そのまま長い長いキスをした。
私の息が切れるタイミングで少し息継ぎをして、角度を変えながら長く、長く。
恥ずかしさに目を瞑るも、それでも中也さんの優しさは十分に伝わった。
そんなキス。
