第15章 大切な人
「それで中也さあ?いつまで蝶ちゃんの事抱っこしとくつもり?いい加減見てて私が怒りたくなってくるんだけど」
「あ?手前何言ってんだよ?こいつは「蝶ちゃんほら、私のところにおいで♪」あっ、おい待て手前!!?」
ヒョイっと身体を持ち上げられてそのまま立つように地面に降ろされる。
『へ、太宰さ…____ッッッ!!!!?』
しかし右脚に予想もしていなかった激痛が迸り、その場に思いっきり崩れ落ちてしまった。
「蝶ちゃん…!?」
「ち、蝶!!?」
『い…ッ、あ……ァ…ッッ!!!』
想像を絶する痛さに悶えながら、更に襲ってくる頭痛や寒気に身体の震えが止まらない。
何これ、なんでこんな寒いの。
「馬鹿、だからやめろって…ッ!?……蝶、お前、その脚…」
『あ、し…ッ?中也さん、どうし「烏間さん!!固定具持って来てくれ!!」!!…あ……や…っ』
「な、中原さん、一体何が……!?固定具か!!患部は!?」
「脚だ、右脚!!足首の分も…っ!見んなお前は!!!」
すぐに目を手で覆われたけれど、一瞬それを見てしまった。
長ズボンを履いていて分からなかったけれど、裾がめくれて見えたそこは、青く赤く腫れ上がっていた。
「だからお前の“大丈夫”は宛にならねえんだよ!!ッくそ…っ」
『………中也さん…中也さんの顔見えないの、やだよ』
「!…待ってろ、すぐに楽にしてやっから……身体も冷えてる、お前んとこの女医もいるし、とっととしてもらおう、な?」
『…こんな日に中也さんから捕りたく、ない……っ』
「こんな日にお前の辛い顔は見たくねえんだよ…それにそん時ならずっと一緒にいてやれる、な?」
中也さんに言われてしんどいのも相まってコクリと小さく頷いた。
『………終わったらケーキとプリンとパフェと中也さん』
「おう、終わったらちゃんとケーキとプリンとパフェと俺を……!?え、俺?いや……俺ってお前!?」
『…寒い、もうちょっとギュッてしてくれなきゃ嫌』
「………てな具合なわけだから、暫くあんま無理させられねえ。太宰、手前なら気付いてるんじゃねえかと思ってはいたが…蝶の方が一枚上手だったらしいなァ?」
睨むように目を細くする中也さん。
「…よく気付いたね、恐らく乱歩さんでも気付いてなかったっていうのに」
「いつも通りのこいつがあんなもんから避けられねえはずねえだろ」
