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第15章 大切な人


「うっわ〜、素敵帽子が僕の蝶ちゃんにエロい事してる〜」

「んなッ!…って手前名探偵!?何がエロ……じゃねえよ!!蝶は手前のじゃなくて俺のだっつの!!!」

「それにしても今日は本当に間に合わなかったんですねお昼に?てっきり間に合わせてくるものかと」

「……許せ蝶、二週間分は働いてきた。いや、マジで許して下さい蝶さん、お願いします」

『なんで謝ってるの中也さん、私今日まさか中也さんが来てくれるなんて思ってなくって泣いちゃうくらいに嬉しかっ「中也また蝶ちゃんのこと泣かせたんだ?」だ、太宰さん?』

元いた場所に運ばれると、探偵社一同からからかわれ始める中也さん。
焦ってる顔もなんか可愛い…じゃなくって。

「今日なんか本当に蝶ちゃん寂しそうにしてたもんねえ?僕でもわかるくらいには…ダメじゃないか中原君、今日蝶ちゃん誕生日だっていうのに何寂しがらせてるんだよ?」

「やはり俺の愛娘で決定だな」

「ちょっとボス黙ってて」

挙句の果てには組合の三人からも弄られる始末。

ってトウェインさん何言ってくれちゃってるの。

『と、トウェインさんそんな事言わなくても…「事実でしょ、中原君が来てたらそんなに色々と深く考え込まずにすんだかもしれないのにさ?」中也さんのせいじゃない…から……』

「あーもう、またそうやっていい子になる!なんていい子なんだ、後可愛い!!誕生日おめでとう!!!」

『トウェインさんって結局いい人だよね?ありがとう…』

「あ、ずるい!素敵帽子が来るまで言わないようにしてたのに!蝶ちゃんおめでとう!!あと一年で素敵帽子と結婚できる年齢になるね!」

「やかましいわ!!蝶に変なことばっか吹き込んでんじゃねえよ!!!」

乱歩さんから遠ざけるようにされるのだけれど、まあ誕生日を祝ってもらえる日がまた来るなんて思わなくって、皆からのおめでとうの言葉が心に一つ一つ染み込んでくる。

そしてこんな風に誰かに誕生日を祝ってもらえるのも、やっぱりこの人のおかげなのだ。

「……なんだよ、んなニヤニヤしてこっち見んな」

『ニヤニヤしてない、中也さんありがとう』

「ああ!?なんで俺が礼言われてんだよ、お前は今日は祝われてろっつの!!!」

『…ありがとう』

私に名前を付けてくれて。
白石蝶を生まれさせてくれて。
私に誕生日をくれて。

「ちッ…帰ったらケーキな」
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