第15章 大切な人
中也さんの大きくてあったかい背中に背負われて、背中には中也さんの外套を掛けてもらって、大好きな香りと暖かさに包まれる。
そして私のいたテントをちらりと見てみれば…見事にテントの屋根部分に穴が空いていて、中の道具類も原型をとどめてない物がいくつも見られる。
ああ、本当にギリギリだったんだ、なんて想像して少しだけ身震いした。
「…あんま見んな、怖がりのくせに」
『……中也さんいるから平気』
「俺がいねえ内に死にかけといて何が俺がいるから、だ」
中也さんの声に安心しきってえへへ、と頬を緩めていると、その場に私の親しい人達だけでなく、色々な生徒や先生達が集まり始める。
「な、何事ですか!?突然テントが倒れ……!!だ、誰だ貴様!?うちの生徒に何をして…っ」
「あ?文句あんのかよ、こいつ今疲れてんだからそっとしてお「全身黒づくめのそんないかにも怪しい格好でうちの生徒を連れ去るとはいい度胸だなあ!!?」……は?」
『ぷっ』
「おいお前今なんで笑いやがった」
誰だか知らないけれど中々いい線つくなあこの先生、確かに怪しくてヤバイ組織の人だよこの人。
クスクス笑っていれば中也さんに軽くデコピンされ、それにあうっ、と声を出す。
「お前も笑ってねえで……っつーかお前が弁解しろよ!?なあ!?説得力俺じゃ全然ねえだろ!!」
「?…!白石さんか!白石さん、そんな怪しい奴のところにいないで…脅されているのか!?そうなんだな!?すぐに私が『ぷっ、ち、違うんです先生……っあはは!!』!?し、白石さん?」
『い、いやつい…この人怪しい格好かもしれないですけど、私の保護者さんなんで』
「保護……保護者ああ!!?」
先生の騒ぎ様に、駆け付けたE組の子達はぷっ、と同じように笑いをこぼす。
『ね、十六になったら結こ「二十歳な」…』
中也さんの突っ込みに頬を膨らませて、条件反射で腕に力を込める。
「ち、蝶さ…っ、ぎ、ギブ!!これマジで首しまってっから!!!首!!!ギブだっつの!!!!」
『十六!!』
「二十歳まで待て二十歳まで!!!」
『……じゃあ今日!!今日中也さんと結婚する!!!』
「十五で結婚したら犯罪なんだよこの莫迦!!!!つか出来ねえよ!!!」
「白石さん!?何が何だかよく…」
『!私を育ててくれた人で、世界で一番愛してる人です♡』
