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第15章 大切な人


「……まあいいや!とりあえず皆蝶ちゃんの写真取りに来てるから、また午後からもかっこいいところ見せてね♡」

『え゛っ、こっちも!?』

「ちょっと組合と張り合ってるからねえ?負けるかってんだ」

『な、なんで張り合って…って今日入ってたお仕事本当にどうしてきたんですか!?』

「「「全員で行って速攻終わらせてきた」」」

揃った声に何も言えなくなった。
けどやっぱり不思議、嫌な気はしない。

……変なところで気回しすぎでしょ、なんてお弁当に悪態をついてから、二度三度とご飯を口に運んでいった。





私の知り合いということで注目を浴びていたのか何なのか、午後にもなると更にざわめきは広がっていた。
それは観客席の方でも同じだったらしく、遠く離れたところからの他の保護者さんたちの声が嫌でも耳に入ってくる。

こんな距離で聞こえてしまう自分の耳を少し恨んだ。

「さっきのあの真っ白な子のところよ?あの子可愛かったけど…どちらが親御さんなのかしら?」

「社長とかって聞こえなかった?あの子でしょ、噂の武装探偵社の白石蝶ちゃん」

「じゃああそこの凄いカメラを持ってる人達?」

「似てないしそれはないでしょ、流石に」

「ええっ!?ならあれだけ色んな人が見に来てるのに親御さんは来てないの!?あんなに可愛らしい子なのに…」

「可愛らしい…はそうだけど、まあ変わった見た目の子ではあるわよね。アルビノ…とも少し違うでしょうし、それであの見た目は…」

「作ってるんじゃなくて?それでE組落ち…とか」

「案外家にいられなくて、それが原因でああなっちゃったのかもね。親御さんも今日いないみたいだし」

「それで探偵社で働いてるとかならありそうねえ…異能力って、理解がなかったら気味の悪いものかもしれないし」

「ここら辺の人ならだいたい皆凄いと思うくらいのものだけど、中には本当に嫌がる人もいるしねえ」

嫌になって蹲って、耳を塞ぐように顔を膝に埋めた。
嫌だ、違う、そんなんじゃない。

こんな見た目になんてなりたかったわけじゃない、こんな風に生まれてきたかったわけじゃない。

だって、だってこんなのじゃなかったら…こんな能力、持ってなかったら。

そしたら……?

「蝶!次障害物競そ…っ!?蝶!?どうしたの、どこか具合悪い!?」

『ぁ…か、カルマ……ううん、ちょっと眠たかっただけ!』
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