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第14章 わからない人


「邪魔って…」

『いい、から…邪魔しないで……っ、私がやるのも我慢してるの!!…っ、邪魔しないで!!』

「………そうかよ…そんなに言うんなら大人しくしておくから行けよ」

中也さんのあっさりとした返しに思わず私が動揺した。
なんでだろ、そうして欲しかったから喜ぶべきところなはずなのに。

「!ちょっと中也、君蝶ちゃんに何を…」

「さっきからうるせえんだよ手前は!!!…っ、そんなに行きてえんならとっとと行け!!邪魔だっつうんならしねえよもう!!!」

『……ちが…っ』

「行けって言ってんだろ!!!」

中也さんに目を向けられてビクリと肩を跳ねさせ、そこから逃げるようにして家を出た。

既に朝から外にいた立原と広津さんの車に乗せてもらって、とりあえず出して下さいと口にすると、二人は真剣な顔付きで車を出す……のだが。

「…蝶、お前幹部と何かあったか」

『!……無い』

「嘘吐くんじゃねえよ、見てりゃわかるぞいいかげん…喧嘩したか?」

『………言葉選び、合ってたはずだし予定通りのはずだったの。でも酷いこと言っちゃったの…どうしよう立原、中也さんに酷いこと言っちゃった…』

勿論今回の仕事についてこさせないようにするためには一番大切な事だった。
ここまで言って、そしてあそこまで言わせてようやく中也さんはこちらに来なくなるような人。

だからこれで合ってるし、寧ろこうしなくちゃいけなかった。

別に私の能力があれば危険なこともないだろうし、中也さんがついてきたら危険だとかそういった事はないのだけれど。

「…そんなに気になるんなら、終わったら昼にでも謝ればいいだろ。あの人がお前の事見捨てたりなんかするかよ」

『……ん…』

「それよりしっかりしてくれねえと、下手すりゃ俺が寿命取られて殺されちまうんだから頼むぞ?割とマジで、つうかお前がしょげてんならやめとくか今日?」

『!い、行くし!!立原の出番とか無いし!!』

「いや、お前止め刺しちゃいけねえから……ったく、本当幹部には何も言わねえよな?あの人そろそろ怒るんじゃねえか?普通についてきてもらって、なんなら記憶が戻る可能性にかけてみてもいいじゃねえか」

『…………今の中也さんが私の事知って頭おかしくなっちゃったら嫌だもの』

嘘、そんなのただの建前。
離れていかれるかもしれないのが怖いだけ。

ただそれだけ
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