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第14章 わからない人


お風呂は結局いつものように先に私が入れられて、少しゆっくりしてから上がった。
状況が状況で仕方が無いため、衣類を今一切合切カルマの家に置いてきてしまった私がとる手段は一つ。

中也さんの服を使うのみ。

能力を使ってもよかったのだけれど、今日は流石にこれ以上カルマに迷惑かけるために会うのも気が引けたため、それは無しだ。

勿論中也さんの了承を得ているわけでもないのだけれど、何度もやっているから上手くいえば丸め込める。
というか丸め込む。

……問題は下の方だから、そこだけバレないようにするのと少し違和感があるのを我慢するだけだ。

『上がりました〜…』

「おー……!!?蝶、お前ッ…その格好!?」

『部屋着、無かったんで……だ、ダメだったら今すぐに脱ぎますけど』

両手を首元に持っていって、止まっている第二ボタンに手をかける。
すると慌てた様子で中也さんがこちらに移動してきて私の手を取ってそれをやめさせた。

「さ、流石にそれはよせそれは!!な!?着ててもいいから…つうかもしかしてよくしてたのかこういう事」

『…まあ、あるにはありましたね』

「そりゃあ慣れてるわけだな…ってお前髪!!ちゃんと乾かさねえと風邪ひく上に傷んじまうだろうが!?早くそこ座れ!!」

『え…』

私が呆然と中也さんを見つめていると、手を引かれていつものように椅子に座らされ、いつものようにドライヤーで後ろから乾かされ始めた。

中也さんの指が髪を柔くといていって、それと一緒に頭まで撫でられてるような感覚にまでなってきて…ああ、大変だ、緊急事態だ。

心地よすぎて泣いちゃいそう…久しぶりすぎて、それも中也さんの方からまたこんな風にしてくれるのが嬉しくって、もうなんでもよくなってしまいそう。

『……これ、好き…』

「!…お、おう……そうか」

『中也さんの手も好き。繋いでくれるのも撫でてくれるのも、ギュッてしてくれるのも大好き』

「な、なんだよまたいきなり…?」

『…言える時に言っとかないとダメな気がしたから』

ピタリと中也さんの手が止まって、少ししてからまた動き始める。

いらないことを言ってしまっただろうか…まあでも仕方ないでしょう、許してよ。
ただでさえ毎日毎日一緒にこうやっていたんだもん。

「お前、今みたいな感じの方が十分可愛らしいぞ」

『!…ほんと?』

「本当」
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