第14章 わからない人
これは今二人だけだし、もしかしたら下手に言わない方がいいのかもしれない。
まあ、中也さんが私の事を調べてしまえば即アウトになってしまうのだけれど…太宰さんや探偵社の誰かに直接聞くだなんてことてこでもしないだろうし、また首領もいて落ち着ける時ででもいいや。
『私がいつから中也さんの傍にいたと思ってるんです?必然的にあの人ともよく関わる事にもなっちゃいますって』
「…それもそうか。……お前みたいな奴ならあいつが放っておかねえだろ、何かされなかったか?」
『毎日のように心中のお誘いとプロポーズと共に愛の言葉が送られてくるくらいですかね』
「おいちょっと待て今なんつったお前」
私が探偵社に顔を出さない日なんかでも、決まってあの人からはそういった内容のメールが送られてくる。
最早恒例の挨拶のようなやり取りになりつつあるのだけれど、おかげさまで少し楽になれる部分もあるにはあるから嫌ではない。
『だから、毎日心中のお誘いとプロポ「まさかそれに応えてねえよな!!?ダメだぞあんな奴、負の遺産しか残さねえようなろくでなし!!!」相変わらず散々な言われよう…応えてたら今私ここに座ってませんって』
「…………指輪、気になってたんだが…籍は入れてはねえんだよな?流石にまだ十四なら」
『!…入ってないよ。成人するまでは結婚しないって約束だし』
「成人するまで…まあ妥当な年齢だな。でもお前、その辺かなり不安なんじゃ…………つうか十四歳相手に結婚申し立てちまうとかもう少し我慢出来なかったのか俺?」
『私が言ってただけだから。それに中也さん、今はそんなところまで考えなくていいよ?……別に元々交際してたからって、私とじゃなきゃいけない理由なんてないんだから』
多分、このままじゃあ私なんかより中也さんの方が長生きしちゃうことになるだろうから。
いつもなら弱気になるなって、俺が何としてでも止めるからって私を叱ってくれるであろう中也さんは今いないから。
「…お前本当に十四かよ。結婚なんざ考えてるあたりでも珍しいもんだが、どうにも精神的に大人っぽいよな。……安心しろ、俺が女に感動すんのなんかお前以外には有り得ねえ話だろうから」
『そういう問題じゃ……ないんだけど………』
籍がないところから…死ねない事からまず話さなくちゃいけない。
言える?私が?
……言えるわけが、ない。
