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第10章 名前を呼んで


気付かれた、見抜かれた。
一度たりともそんな素振りは漏らしていないはずだったのに、どうしてこうもあっさりとこの人にはバレてしまう。

『してない…いいでしょ、リハビリ中なんだから放っとい「リハビリ中の奴がんな脚で蹴り入れてんじゃねえよ、怒るぞ」……ッ、ぇ!?』

大人しくなった私の脚をゆっくりとベッドに下ろしたかと思いきや、今度は中也さんの方から抱きとめれた。

喫茶店で散々してたくせして、なんでこんなタイミングで?
しかも、なんでわざわざソラさんのいる目の前で?

色々と頭がグルグルし始めて、そして結局恥ずかしくなって顔に熱を集中させる。

「頼むから、もう無茶なことはしないでくれ…もうお前は、何も痛い思いなんかしなくていいんだから」

『!…ッ、は、離れて中也さん』

「…蝶?」

『大人しくするから離れてください……ちょっとだけお布団借ります、つ、疲れたんで寝ますねもう』

ポカンとして力の弱まる中也さんの腕から抜け出して、無理矢理掛け布団を頭まで被って視界を遮った。

というか隠れた。

なんなのこの人、怒るとか言っておきながら私の心配してばっかりじゃない。
結局どう転んだって優しいんじゃない。

ドキドキうるさい心臓の音を誤魔化すように縮こまって、熱い顔を冷まそうと目を瞑って呼吸だけに集中した。

何故かふと中也さんが私に向かって笑いかけたような気がしたのだけれど、バレていないと信じたい。
……抱きしめられるのが恥ずかしくて布団の中に逃げただなんて、格好悪いじゃない。

「…手前にもこんくらいのもんがあればまだ可愛げがあるかもしんねえのになあ?」

「!……そ、その…お二人の関係って?」

「ああ、知らなかったのか?…こいつは俺が世界で唯一愛する女だ、悪いがこれからはあんまりくっついてくれんなよ。俺は基本的に、しつけぇのは嫌いなんでな」

つうか幹部命令だ、上司への過度なスキンシップは今後一切禁止だ。

中也さんの言葉にさしものソラさんも押し黙った様子。
ていうか、え、待って。
この人今何言った?
顔の熱冷ますためにって布団の中に入ったはずなのに、余計に恥ずかしくなる一方じゃない。

なによ、世界で唯一愛する女だとか…他の世界に飛んだこともないくせして私の隣でそんな含みのある言い方する?

『……っ、馬鹿』

「…俺は馬鹿みてえにこいつ一筋だからな」
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