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第10章 名前を呼んで


『さっきはなんで誰にもこの感覚が分からないのかが気持ち悪くて、それでも中也さんに触れたあの人の存在を本当にあの場で消してしまいたくてああしました』

「僕にも紅葉君にもA君にも…あんなに勘の鋭い中原君にも何も感じ取れなかったよ?」

『だから余計に怖いんです、何を企んでいるのか分からなくて……ッ、ようやく芥川さんで一人目です。なんていうか、嫌な予感が拭えなくて…』

それで首領、と話を続ける。

『私としては、本当に今すぐにでも消し去ってしまいたかったんですが……私も、組織の立て直しが重要で、人手は欠かせないと分かってます』

「うん、そうだね。出来ることなら本当に蝶ちゃんや太宰君に戻ってきてもらいたいくらいだ」

『…そこで、何か不審な動きや問題が生じたら、すぐにでも取り締まれる体制を作ってほしいんです。裏を見せるのがいつになるのか分からない…私がいない内に何も起こらないように、且つ相手に悟らせないように、厳重に警戒をしていただきたいんです』

「警戒、ねえ……君と芥川君が揃って殺しにかかってしまう程だ、かなりのものだと判断していいね?」

私がはい、と言った後に、芥川さんもコクリと頷く。
芥川さんの見解も同じであるらしく、すぐにでも殺せないのであれば、常に行動を誰かが見ておくべきであるというもの。

『私が能力を隠さないでいられるなら、こんな事…っ、お願いします、信頼出来る人にだけ……あの人達に悟らせないような人を、なんとか配置できませんか?暗殺者は気配に敏感でもあります、お願いです』

「…………よし、それなら隠密機動隊を巡回させておこう。万が一何かが起こってもその場で捕まえるか、すぐに緊急連絡が出来るように体制を整えておく。後、芥川君にもお願いしておこう」

いいかね?と問う首領に、芥川さんは再び頷いて了承する。

「立原君はそのまま今の任務を続行。何かあったら連絡を入れるから、すぐに蝶ちゃんを連れて拠点に来れるようにしておいて…蝶ちゃんの方の件もあるから、絶対に能力だけは焦って使っちゃあいけないからね」

「は、はい!」

「それで蝶ちゃん、中原君には本当に言わなくていいのかい?」

首領の言葉に、皆がこちらに目を向ける。

『……中也さん、隠すの下手ですから。それに、あの秘書さん達に違和感を感じる人が、芥川さんしかいないんですもん。言えませんよ』
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