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第10章 名前を呼んで


しかし私が動こうとするのを立原に腕を掴んで止められた。

「蝶、落ち着け!!とりあえず止まるんだ!!」

『これを見て落ち着いてろって言うの、馬鹿なの立原!?』

「違ぇよ、よく見ろって!!!」

立原の声に疑問を持って、再びよく中也さんの方を向く。
すると、ソラさんの首元に当たる鋭い黒獣……ソラさんは腕の力を緩めたのだろうか、中也さんから手を離し、その場の全員が黒獣の大元を目線で辿る。

ケホ、ケホ…と咳が小さく響き渡る。

「……貴様、何者だ。何の目的があって中原さんに抱擁を」

「!?……そ、れは衝動的に…っ、この方に、一目惚れ、を……ッ」

「一目惚れだと?笑わせるな…僕は、何が目的かと聞いている」

芥川君…?と目を丸くする首領。
首領の目の前で、一応部下であるはずの人間に攻撃を仕掛けるだなんて芥川さんらしくない。

「だ、から…」

「何が目的でその方に触れようとする。何が目的で、白石を差し置いて中原さんに近寄っている…その理解不能な、虫唾の走るような表情をやめろと言っているのがまだ分からないか」

「『!!!』」

ここにいた、こんなところに…分かってくれる人が、いた。

「!?私は元からこんな顔で…っ」

『あ、芥川さんやめて!!とりあえず首は離してあげて…』

しかし、と言う芥川さんにいいからお願いしますと言うと、彼は渋々といったように黒獣を外套に収めてくれた。

芥川さん…この人の察知能力には、私も首領も驚かされてばかりだった。
独走癖があって独断行動や問題行動が多いと一般的には見られるが、結果、大きな功績をもたらしてポートマフィアのために動く人。

独自の嗅覚の持ち主…勘鋭く、本能的に敵が分かる人。

『……首領は考えがあってわざわざ秘書さんなんて雇ってるんですし、それに元々この方達は暗殺業を生業としています。なのでそういう風に捉えてしまうのも仕方ないかとは思いますけど…』

「!僕は…『いいから、とりあえず聞いてください』……」

私の考えを悟ったのか、何も言わずに引き下がってくれる芥川さん。
ここで殺してしまいたいところだけれど、簡単に殺しをまたしてしまうわけにもいかない。

ちゃんと証拠を出して、首領の許可を得てからじゃないと。

それを見つけるまでは逃がすわけにはいかない。
絶対に何か裏がある、見つけた途端に捉えてやる。
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