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第10章 名前を呼んで


「蝶ちゃん!?ダメダメ、絶対にダメ!!」

「蝶、少し冷静になるのじゃ!!今ここで殺しをしてしまっては…」

『仕方ないですよね?あろう事か、中也さんに告白をするまでにとどまらず、べたべたくっついて?抱きしめて甘えて?キスまでしようとしてたんですよ……これが落ち着いてられますか?』

「な、ッ…なんて野蛮な人なのかしら!?こんな人がいる街なのここは!!?こんな馬鹿みたいな力、普通のものじゃあないわよ!!」

大きく言い放ったソラさんにピクリと手が一瞬震えた。

『…………で?それも知らずにこの人の秘書になんて名乗り出て…こんな事くらいで喚いて、恥ずかしくないんですか?ここ、ポートマフィアですけど』

冷めた瞳で見下すように言い放てば、場の温度が一気に冷えていくのが分かった。
殺したくなった。
だけど抑えろ、こういうところでただの子供になるんじゃない。

ソラさんの上から退いて、銃をしまって歩き始める。

「!お、おい蝶!?お前今からどこ行く気だ!?」

「ち、蝶ちゃん?君の気持ちは理解出来ないわけじゃあないけれど、流石に一人では…」

『……ッ、いいでしょう別に、頭冷やしに行くだけなんですから!!首領も何も言わないで…っ、中也さんは黙ってて!!!立原といるからもういいです!!!』

ヤケになって感情的に叫んでから、会議室の扉から出て行った。
最悪だ、まさか秘書だなんていう役職で、あんな人が中也さんについている事になるだなんて。

殺したい、今すぐにでも八つ裂きにしてやりたい。
一目惚れなんて知るものですか、私の中也さんに触れないで。

「!蝶?なんかえらく揉めてたみてえだが、いったい何が…!?ちょ、ッ…おい!!?」

扉を閉めてからすぐそこで待っていた立原の手を取って、全力で走って会議室から逃げるように移動する。

ほら、今日はやっぱり追いかけてきてくれないじゃない。
いつもだったら走って行っちゃう前に無理矢理にでも止めてくれるのに、部屋から出てきてもくれなかったじゃない。

『______あの人のところに、いるんじゃない…っ!!!』

「ち、蝶!?とりあえず止ま……っ、お前、もしかして泣いてんのか?」

立原の声にピタリと足を止めて、後ろを向かずに口を開く。

『……っ、そうよ!悪い!?子供になるのを我慢して出てきたのよ!!……ッ、泣くぐらいいいじゃん…っ』
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