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第10章 名前を呼んで


なんでもないように、冷静さを保ちながらソラさんとやらの視線を感じる。
問題は視線の行先だ。

「本日より、中原幹部の担当をさせていただきます、ソラと申します。よろしくお願い致します!」

「お、おう、よろしく頼む…」

見すぎ、見すぎ、絶対見すぎ。
ここにはこれだけ人がいるのに、さっきから中也さんに対する視線がうるさすぎる。
絶対黒だ、この人絶対私の敵だ。

いらいらするのも全て抑えて周りに悟らせないよう紅茶を飲む。
あ、美味しい…これ多分中也さんが入れてくれたやつだ。
なんてリラックスして気を抜いた瞬間の事だった。

「お会い出来て光栄です、中原幹部!」

やけに嬉しそうなその声に、ピクリと指が反応する。

「ソラ君はどうしても中原君の担当秘書をしたいんだと立候補してくれていてね?」

「は、はあ…なんでまた俺なんかに?」

「はい!任務でここを一度訪れた時にあなたをお見かけしました!それからずっとずっと会いたいと思っていて…」

気にせずに目をつぶって紅茶の味を楽しもうとした時だった。

「あなたを追いかけてここまで来ました!一目惚れというやつです!!」

ソラさんのまさかの一言に場は騒然。
首領は苦笑い、カイさんとリクさんは頭を抱えて溜息を吐いている。

そしてカチャ、と私がティーカップを置いたところで、まさかの事態が発生する。
あろうことかソラさんはこちらに歩み寄ってきて私の真後ろを通り、中也さんに抱き着いたのだ。

「は……はあ!!?手前何しやがる!?とりあえずこっから離れ…ッ」

「まずは新愛を込めてキスを____ッッ!!!?…っグ、ッ……!!?」

中也さんの頬にソラさんが唇を寄せようとした刹那、椅子から立ち上がってすぐさま中也さんの後ろに動き、ソラさんの肩を無理矢理引っ張って中也さんから引き剥がす。

突然の事態に危機を感じたのか何なのか、細でのナイフを取り出して振りかざしてこようとした彼女の手に思いっきり蹴りを入れて、ナイフを蹴飛ばして彼女の片手を傷めさせる。

そして間髪入れずに床に叩きつけ、傷めさせただなんて事はお構い無しに後ろ手で固め、その上から乗ってソラさんのこめかみに銃を直接当てた。

一瞬静まった会議室。
けれどもすぐにざわつき始める。

「ち、ちち蝶ちゃん!!?」

『首領…










____この人殺しちゃダメですか?』
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