第8章 お正月 <双子6歳>
「少し、休憩しようか?」
雅紀の一言でHigh Streetに出た4人。
智と和也が「フィッシュ&チップスが食べたい!」と言うのでガイドブックを頼りに店を探し、ついでにスーパーでサンドイッチと飲み物を買って近くの川のほとりに向かった。
イッチン川という小さな川の傍は緑地帯になっていてあちらこちらにベンチが置かれている。
年末の時期、人はそんなにいないし車も走らないので子連れでも問題なく過ごすことが出来る。
年末のイギリスだから寒いかと思いきや、陽が当たると案外暖かい。
智と和也は食べ終わるとさっそく追いかけっこをはじめている。
その様子をサンドイッチを頬張りながら雅紀と潤は眺めている。
「子どもってすごいな。なんであんなに元気なんだろう?」
潤がいかにも不思議という顔で言う。
「でも俺たちもあんな感じじゃなかった?
なんか翔兄といつも追いかけっこしてたしおもちゃなんかなくてもなんか楽しくてさ?
きっと俺らの親も同じように見てたんじゃない?」
「かもな。立場が変わらないとわからないこととか見えないことってあるね?」
「そりゃそうでしょ?そうやって日々成長するんじゃないの?人間って」
しみじみと話していると智と和也が大きな声で二人を呼ぶ。
「わかったよーすぐ行くからちょっと待っててぇ!」
その声に素早く反応する雅紀。
潤はゴミを纏めて近くのゴミ箱に捨てながら二人の元に歩いていった。