第8章 お正月 <双子6歳>
静かな空気に満ちた大聖堂。
智も和也もその空気がわかるのかいつもよりも控えめな声でしゃべりながら見て回る。
ゴシック様式の建物の中はあちらこちらに様々な装飾が施されており、それが興味を引くらしい。
歩いて上層階に上がるといくつかのパネルが置いてるのが見えた。
「潤くん、あれ、なにが書いてあるの?」
「あ、あの絵、綺麗!」
和也と智がそれぞれ言いながらパネルに走りよる。
潤はパネルに書いてある説明文を読みながら二人に簡単に説明する。
ウィンチェスター聖書をはじめとするいくつかの聖書について解説をしているパネルだった。
「智、和、本物のウィンチェスター聖書、見に行こうか?」
「え?みれるの?」
智が嬉しそうに返事した。
「うん、ライブラリーで見れるんだって。
和はどうする?」
「僕も行くよ?」
「じゃ、行こうか?」
そう言って4人で歩きはじめる。
雅紀と潤は歩く二人の姿を写真に収めながらそれぞれに思う。
正直、子どもにとって大聖堂の見学なんて少しも面白くないと思う。
だから誘ってみたもののつまらないと思ったらすぐに出ればいいと思ってた。
それが思いのほか喰い付いたことに正直驚いていた。
子どもの興味の範囲は無限だと思い知らされる。