第8章 お正月 <双子6歳>
ロンドン、ウォータールー駅。
ロンドン市内の主要駅の一つで南西部への列車の多くがこの駅から出発する。
「おはよう、サクショー平気なの?」
待ち合わせ場所にしたインフォメーションの傍に少し大きめなバッグを持った斗真がいた。
翔の後ろには雅紀と手をつないだ和也と潤と手をつないだ智がきょろきょろと周りを見ながら着いてきた。
「おはようございます。
せっかくの機会なんで俺たちもお伴させてもらおうと思って」
潤が若干申し訳なさそうな顔で斗真にいう。
事前に翔が連絡しているのでもちろん斗真も4人が着いてくるのは了承済みである。
「問題ないですよ?なんなら取材も一緒に来ます?」
斗真は気楽にいうがさすがにそれはまずいと雅紀と潤が断る。
「パパぁ、なんかここ、ハリーポッターの駅みたい」
テレビで映画の第一作をみた智が駅の中をみながらいう。
「あぁ確かに雰囲気が似てるね?
でもあれはキングスクロスじゃなかったっけ?」
「そうだよ、智くんも和くんもハリーポッター見たの?」
翔が記憶をたどりながらいうと斗真が補足する。
「うん!見た!」
和也が大きく斗真に頷く。
「じゃ、ロンドンにいる間に行ってみる?
キングスクロスの9と3/4番線ホーム」
「え?行けるの?」
智が斗真の一言に喰い付いた。
「キングスクロスはね?
今、あそこ観光スポットになってるからね?
ホグワーツに行くのは…ちょっと難しいかな?」
斗真が済ました顔で智と和也にいうと「いきたーい!」と二人は元気に主張した。