第8章 お正月 <双子6歳>
「あとね、乗る前に運転士さんと話すの!」
和也は翔にさらに伝えている。
「あのね、潤くんが運転士さんと話してね、いいよって言われてから乗ったの」
「運転席とお客さんの席の間に、窓みたいなのがあるんだよ!」
和也と智が口々に気がついたことを報告していく。
それを嬉しそうに聞く大人たち。
斗真が時間に気がついて声をかけるまで続いた。
6人で劇場に向かうと、さすがに開演時間前で多くの人がいた。
案外子どもが多いことに翔たちは少しホッとした。
「智、和…たくさんの人が見てるからちゃんと『しー』出来る?」
それでも翔は確認のように二人に聞いた。
「できるよ、さと、おにいさんだもん!」
「和もできるもん!ね?智?」
「ねー、和?」
ニコニコする二人に若干不安を覚えつつ、6人は劇場内に入った。
潤、智、雅紀、翔、和、斗真の順で並んで鑑賞をはじめたミュージカル。
幕間の休憩で智と和也の位置だけ変えつつ最後まで大人しく鑑賞した。
終わって、劇場を出た6人。
夕食を食べるため、歩き出した。
ミュージカル自体は英語がわからなくても十分に楽しめる内容だったので智も和也も楽しそうに見ていた。
ストーリーは以前、保育園でお遊戯に音楽を使った時にDVDで何度もみたのでよくわかっている二人。
途中、知ってる曲が出てきたので嬉しそうな顔をしていた。
「とーま、券ありがとう!すごくね、楽しかったの」
「ミュージカル、すごくたのしかった!シンバ、格好良かった!」
双子の素直な感謝に斗真は嬉しそうに笑いながら双子と手をつないで歩きはじめた。