第8章 お正月 <双子6歳>
熱々の揚げ物に掛けると独特の匂いを放つ。
「和も掛ける?」
「…うー、うん、ちょっとだけね?」
恐る恐る言う和也に雅紀が返事しながら取り皿に載った和也の分に振りかける。
「う、なんか納豆みたいが匂いがする」
「そうなんだよねぇ、日本のお酢はお米から作ることが多いけど、これはビールの原料と同じ大麦を使ってるからちょっと違うの。
おいしいから食べてみな?」
「うん…」
最初は恐る恐る口に運んだ和也だが、食べてみて美味しさがわかったのか、その後は笑顔で食べていた。
「ねー、潤くん。ポテトチップスいつ来るの?」
智が隣にいる潤の腕を突つきながら不思議そうに聞く。
「いや、来てんじゃん、チップス」
潤が智と和也の前に置かれてる皿の上のチップスを指差す。
「?潤くん、これ、フライドポテトでしょ?
お魚とポテトチップスじゃないの?」
智が納得いかないという顔で潤を見る。
その様子を見ていた斗真が智の誤解を解くべく話す。
「智くん、あのね。イギリスだと日本のフライドポテトのことをチップスって言うんだよ?
ポテトチップスはクリスプスっていうの。
俺もさ、来た当時なんで?って思ったもん。
智くんがなんでって思うのは当然だよね?」
斗真の説明に納得したのか、智は「わかった」と一言言って食べはじめた。
「どう?美味しい?」
斗真の声に智は笑顔で頷いた。